落語

第184回三平堂落語会

2015年6月20日に、ねぎし三平堂で開催された、第184回三平堂落語会を聴いてきました。座敷席、縁台席を中心とした小さな会場で、満員(50人くらい)の入りでした。 林家たま平『一目上り』 『崇徳院』『千両みかん』『擬宝珠』の冒頭が似ていることは知られ…

落語雑感三題

火焔太鼓のマクラ 浅草の寄席に行ってきました。トリは古今亭菊之丞『火焔太鼓』。 師匠(円菊)の師匠である昭和の名人、古今亭志ん生の得意ネタであり、円菊の使ったマクラや、志ん生の作ったクスグリをちりばめた、古今亭伝統の一席として楽しかったです…

立川流の落語がつまらないわけ

CDなどで立川流の落語家の噺を聴いていて、いろいろな落語家に共通して思うのは「キャラクターを演じることができていない」ということです。 シチュエーションがあって、キャラクターがいて、ドラマが起こるという基本ができていない。おしなべて、平板で単…

古今亭菊之丞の『浜野矩随』

平成26年6月9日の落語会で、古今亭菊之丞のネタ下ろし『浜野矩随』を聴きました。 『浜野矩随』というのは、彫刻の名人の父親が亡くなった後、技術の劣る息子矩随の苦心を描いた人情噺ですが、母親の自害というショッキングな出来事もあって、現代人にとって…

落語立川流と立川談志に関する雑感

先日、落語立川流の寄席を聴きました。以下では、その後にとりとめもなく考えたことについて、備忘のために記してゆくことにいたします。 1.古典落語のラジカルな改変はなぜ継承されないのか。 立川流の落語は、何の変哲もない古典落語でした。 そして、7…

古今亭菊之丞独演会 池袋演芸場

2012年1月27日の池袋演芸場、古今亭菊之丞の独演会に行ってきました。 出演者は菊之丞師匠のみ。演目は、『愛宕山』『芝浜』『らくだ』の大ネタ3題。しかも『芝浜』はネタおろしとのこと。それだけでも非常に苛酷なのですが、菊之丞師匠はこの日、浅草と鈴本…

第五回鈴本余一会 古今亭菊之丞独演会

寄席の定席は、1〜10日の上席、11〜20日の中席、21日〜30日の下席という興行が基本で、それに属さない31日には特別番組が組まれることが多いです。2011年10月31日の上野鈴本演芸場では、第五回鈴本余一会、古今亭菊之丞独演会が催されました。 『幇間腹』 金…

落語における貨幣価値について

八代目桂文楽の噺などをいくつか聴いて、いまさら気づいたのですが、古典落語には、明治以降を舞台にしたものが数多くあります。 いつごろを舞台にしたものかを探るうえで、手掛かりとなるのが貨幣価値です。江戸時代については、一両≒10万円くらいかなあ、…

素人鰻

落語『素人鰻』には、主人の中村の旦那、客人の麻布の旦那、鰻割きの職人の神田川の金が登場します。 徳川瓦解を受けて、奉還金で鰻屋をはじめる中村の旦那、腕はいいが酒乱の金が、酒を断って奉公するというのですが、客人の麻布の旦那が、開店祝いだと金に…

愛宕山

落語については、ほぼ初心者ですが、まあ初心者にふさわしく、落語について、底の浅い話でもいたしたいと思います。 前にも日記に書きましたが、先日、若手真打の古今亭菊之丞の落語CDを買いまして、何度か聴いているうちに、ほかの演者の落語と聴き比べたく…

古今亭菊之丞名演集

若手実力派の落語家、古今亭菊之丞の落語CD3枚。 以前、テレビの演芸番組で見て、一発でファンになりました。そのときは、代り目(古女房におでんを買いにいかせる噺)を演ったのですが、この人が演じると、その古女房が美人で色っぽいんです。その後、真打…