まんがタイムオリジナル2018年7月号
まんがタイムオリジナル2018年7月号の感想
『ラディカル・ホスピタル』 ひらのあゆ
「あるある」 実際のところ、カレーを食べているときに白衣を着ている必要性はあるのだろうか?
「ガチ勢」 医療系雑誌の読者という時点で対象は絞られます。
『コスプレ先生の絵画教室』 東屋めめ
普通なのにコスプレに見えるのは戦闘力を秘めているからでしょうか。戦闘パートのコスプレも見てみたいものです。
『きっと愛され女子になる!』 瀬戸口みづき
カラーページのパワーを、ダサシャツとシャケに注ぎ込む。
『わさんぼん』 佐藤両々
移籍第1回
「お寿司屋さんみたく」 練りきり、色素、各色の羊羹、餡があれば、ある程度の上生和菓子はオーダーメイドで作れそう。練りきりの色付けは小ロットでもできるし。「拵える」という言葉は、わさんぼんワールドだなあ。
『少女Switch』 ねこ末端
回を追うごとに、それぞれの女の子の良いところが見えてくるし、成長もみえてくる。おだやかで優しい、でも前向きな世界。
『ゆとりの町長』 小坂俊史
最終回
「下を向いて歩こう」 帰郷から1年。また訪れたクリームソーダの季節。町本ゆとりがこれまで歩んできたのは、人より上に立つことのない、人より上に立つことに興味のない人生。ただし、人の上に立つことばかりを考えている人物と比べれば、リーダーとしての資質は多少高くはあるのでしょう。
「鬼門」 単行本あとがきによれば、当初は異なるエンディングを予定していたとか。その場合、過疎の進む北部地区と、若者の多い中心部が、展開のキーとなったのかも。
「胸が痛い」 せっかく作った選挙カーの有効活用。おだやかな老後ではなく、金のかかる趣味に邁進する老後へ。それもまたmeaning of life。
「根拠がなさすぎる」 4コマ目のお花畑。
「リロード占い」 絵のない3コマ目にギャグを仕込むあたりはさすが。当選確率30%は、リロードでの賭け率67%でフィフティ・フィフティに補正できる。
「朝鳥町町長選挙について」 2人で違う涙の意味。実際のところ、当選したところで、議会の多数派をおさえているわけでもなく、苦難の道だったのでしょう。でも、最初からはあきらめないし、勝ちにつながらなくても試行錯誤はするし、十分ではなくても結果を残す。先の見えない地方で現実と戦う姿勢として、これは意味があったのだと思います。オール与党化した地方議会に支えられた首長の多い昨今において。
「負けるわけにはいかぬ」 久しぶりの選挙に勝ったのに、お祭り騒ぎへのフットワークで負ける。
「タイトルにこだわる女」 次回への布石とせず、結果としてフリダシのバカに戻ってしまうあたりが彼女らしさ。
「ひとりだけ熱湯」 ぬるま湯行政からの脱却を(切実)。
「ないからしまえ」 最後のコマ、窓から外を見る現職町長にも、町が持っていたポテンシャルが届いたかたちなのかな。単行本あとがきによれば、初期構想としては、町長になった町本ゆかりの悪戦苦闘マンガとする予定だったとのこと。この終わりかたでは、直接的にそこへはつながりませんが、町役場の臨時職員としての悪戦苦闘マンガへのスピンアウトは可能かもしれません。現町長は、傀儡として使いやすそうですし。