玻璃の天

昭和初期の東京を舞台に、上流階級の少女と女性運転手が活躍するミステリ。直木賞の候補作品で、「街の灯」の続編にあたります。

街の灯 (文春文庫)

街の灯 (文春文庫)

「幻の橋」「想夫恋」「玻璃の天」の3編からなります。
戦争に向けて傾斜していく暗い世相の中で、凛としてそれに立ち向かう少女たちの姿は感動的。特に「幻の橋」のラストは泣けました。昭和初期を舞台にしながら、現代につながるメッセージに満ちています。
 ミステリとしても、小説としてもレベルが高く、表現というものに対する北村薫の決意の書としても重要な作品です。

玻璃の天

玻璃の天