小坂俊史漫画の魅力を語る
わたしが、小坂俊史先生の4コマ漫画にはまったのは、4年ほど前から。比較的ファン暦は浅いです。以来、月に5冊以上の4コマ漫画雑誌を買うようになっています。小坂漫画の掲載雑誌は以下のとおりです。
まんがくらぶ「せんせいになれません」
まんがくらぶオリジナル「やまいだれ」
まんがライフオリジナル「ハルコビヨリ」(次回最終回)
まんがライフMOMO「わびれもの」(エッセイ漫画)
まんがタイムオリジナル「幼稚の園」
ビッグコミック増刊「れんげヌードルライフ」
それぞれの漫画の面白さについては、後日語っていくとして、今日は小坂漫画全体の魅力について語ってみたいと思います。わたしの考える小坂漫画の魅力は以下のとおりです。
1.とにかく面白い。
これが基本です。面白さの感じ方には、もちろん個人差があるとは思いますが、1本1本の4コマのネタが、しっかりと練りこまれていて、最後できれいにオチがつくので、とにかく面白いと感じます。
2.スルメ度数が高い。
スルメ度数が高いとは、同じ漫画を繰り返し何回読んでも面白いということです。10回読んでも20回読んでも面白いので、小坂漫画の単行本のコストパフォーマンスは、恐ろしく高いです。ちなみに、そのほかに個人的にスルメ度数が高いと感じている4コマ漫画家は、秋月りす、森下裕美、寺島令子(特にうどんランド)などです。
3.ロジカルな構成が楽しめる。
小坂漫画は、4コマでありながら、構成に工夫があり、非常にロジカルに組み上げられています。小坂先生は、4コマ漫画界でもっともロジカルに4コマ漫画に取り組んでいる作家のひとりだと思います。個人的に、ロジカルなものが好き(だから推理小説も好きです)なので、これもポイントとなります。
4.ダメな人たちを描くことが多いが、単にダメに留まらない魅力が、そこから生まれている。
小坂先生の漫画では、ダメ人間、ダメ集団が主役となることが多いです。ダメな先生、ダメな編集者、ダメなフリーター、ダメなサークル、ダメな家族、ダメなバンド、ダメな野球チーム、ダメなラーメン屋、ダメな天才児などが主役になります。でも、そのダメな人たちが、すごく魅力的なのです。実際に作品を読んでいただけないと、説明は難しいのですが、たとえば、ダメなバンドを描いた「サイダースファンクラブ」という漫画では、読者の多くが、登場バンドのサイダース、バニーズ、ウォルナッツの本当のファンの気持ちで読んでいたと思っています。
- 作者: 小坂俊史
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2005/05/27
- メディア: コミック
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5.世界に血が通っていて、世界観にひたれる。
小坂作品のなかでは、まったりとした時間が流れています。その流れに身をゆだねるのはとても心地よいです。また、小坂作品には、細かい裏設定があることが多いです。それらは、単行本の付録ページなどで披露されますが、例えば「せんせいになれません」では、児童79人、教職員20人のプロフィールがまとめられています。児童については、人間関係のマップまであります。このような細かい設定も、小坂作品を楽しむスパイスになっています。
- 作者: 小坂俊史
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2000/11/01
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