まんがライフSTORIA vol.3
まんがライフSTORIA vol.3の感想
『マジョの夜宴』 道端晴明
ファミリー誌系列ではあるものの、ハイセンスなエロで、これはこれでアリ。
『ラーメン大好き小泉さん』 鳴見なる
1ページ目で、「多分家系だけど、海苔が2枚か」と思う程度にはラーメン好きなのですが、三田二郎には、怖くて行けなかったりします。今後どんなラーメンが登場するのか楽しみ。中本の北極とか出ないかなあ。
『これでおわりです。』 小坂俊史
最後の卒業生
ひとりの女性の9歳〜26歳の人生と、ひとつの離島の小学校の運命を、さわやかに描き切った骨太の8ページ、ではあるのですが、最終コマに至って、読者は、この作品が、裏面において、土着系肉食女子、奥田先生の25歳〜42歳までの物語になっていたことに気付かされます。
優れた記述トリックの多くがそうであるように、気づいた瞬間には、何が起こったのか、読者にはよく理解できません。伏線(p194、p196 1コマの少女の視線、2コマ目の台詞、3コマ目の遠景)をたどることで、二重写しになってきたハンターとしての女性の半生が、徐々に浮かび上がってきます。
子供のいない島に貢献することの意味とエロチシズムが、ともに伝わってきます。「島にからめ取られてしまいそうで怖かった」草食女子と、「島にからめ取る手練手管はお手の物」の肉食女子。肉食女子が子を産み、草食女子が教育する、島の動力学。