まんがライフSTORIA Vol.13

まんがライフSTORIA Vol.13の感想
http://4koma.takeshobo.co.jp/cat03/7261/

ラーメン大好き小泉さん』 鳴見なる

24杯目 大阪
 登場したラーメン店について、調べてみた範囲で。
 p13の高井田系は、丈六(難波)。
 p18の新店は、人類みな麺類(南方)、麺香房 三く(新福島)、ストライク軒(天神橋筋六丁目)。大阪ブラックは、金久右衛門(深江橋)。
 p21の鶏白湯は、ぼっこ志(難波)。
 p23の塩ラーメンは、龍旗信(難波など)。
 p24は、らーめんstyle JUNK STORY(谷町九丁目)、麺のようじ(日本橋)。
 p27は、カドヤ食堂(西長堀)。
 p30は、世界一暇なラーメン屋(渡辺橋)。人類みな麺類の系列店ですね。

『パンクティーンエイジガールデスロックンロールヘブン』 ハトポポコ

 この漫画のタイトルだけは、以前の記事から、コピペして入力することにしています。
 正露丸! 1日3回飲まないと死ぬヤツだ(『やまいだれ』情報)。

『気の迷いなら早く』 仙石寛子

 この雰囲気、なんか懐かしいなあ、と思ったら、小笠原朋子先生の『Hi スクラップ!!』に近いのでした。

『これでおわりです』 小坂俊史

最後の打者
 主人公の高校球児が、なんだか重野なおき先生に似ています。
 ショート漫画ながら、「一体どうなるんだ」と思いながらページをめくる構成は、スポーツものとしての正統的技術を踏襲しています。左右のページの組み方を変えてしまったら、おそらく読み味は相当に損なわれるでしょう。そして、ページをめくると、その都度に意外な展開が待っています。
 3年間を思い起こし、1球にかけた1回目の打席があったからこそ、最後の打者のプレッシャーのみを感じた2回目の打席で、一瞬の無心が得られたのでしょう。2回目の打席で、「3年間のすべて」を賭けようとしていたら、あるいは押しつぶされていたのかもしれません。
 最終ページのトリッキーな構成には、十分な計算と必然性があって、それによる高い効果が確認できます。
 「最終ページ冒頭で本塁打」という当たり前な構成では、漫画のクライマックスが、そこになってしまいます。その後に、甲子園のエピソードを入れるのは、ページが足りなくなるでしょうし、蛇足とも感じられるでしょう。また、読者が「ご都合主義」と感じてしまう危険もあります。
 今回のトリッキーな構成により、読者は最初「???」となりますが、話が把握できると同時に、さまざまな感情が一気にこみあげてきます。それは、彼がサヨナラで最後の打者となった地方予選3回戦の勝利と、彼が三振で最後の打者となった甲子園準々決勝の敗北を、同時に知るためです。
 主人公の本塁打を、地方予選の歓喜の中で知るのではなく、甲子園で最後のバッターになって悔し涙を流しているときに知ることで、主人公への「よくやった」という思いは倍加していきます。
 「呪い」というのは、自分にとって重要な意味のある体験から生じるものなので、自発的に何かをするときには、しばしば強力なエンジンとなります。