アバター

 わかりやすいアクション映画。異世界感は想像していたよりも低めでしたが、舞台の星の自然に、観客が感情移入しなければならないから、これはやむをえないかな。
 ただし、地球人は資源がほしいだけ、原住民は大切な土地を離れたくないだけなのに、なぜ全面戦争をして、盛大な殺し合いをしなくてはならないのかは、ひっかかりました。アクション映画だから、そうならないと作品にならないのだろうけれども。
 主人公は、特に戦略もなく、原住民を戦いにいざなっていたけれど、勝てたのは運が良かったからに過ぎません。こういったパターンの場合、原住民が全面的な武力蜂起に打って出るのは、侵略者側からすると、思うつぼの場合が多く、それをきっかけに大量虐殺が行われることも珍しくありません。せめて、もっと勝てる戦略がないと、あまりに危険な選択だなあと思いました。そもそも全面戦争を避けるためのアバターだったのに。
 構図としては、『のび太の宇宙開拓史』に近いものがあるけれど、宇宙開拓史は、人殺しをしないで解決していたんだよなあ。
 地球人の地上兵器が、異郷の野生動物よりも弱いのは、ちょっと笑えました。