まんがくらぶオリジナル2014年11月号

まんがくらぶオリジナル2014年11月号の感想


 次号にて休刊とのこと。残念ではありますが、重要なのは、業界と4コマ漫画家が生き残っていけること。戦線を立て直すための戦略的撤退であってほしいです。「ファミリー向け4コマでメシを食う」というビジネスモデルが崩壊しないで続いていくことを、何よりも願っています。

たばたちゃん派』 みずしな孝之

 「たばたのもうてん」 年明けの1月は真冬だけど、むいちゃんの言う海のイメージは、国内というより、グァムとかっぽい感じです。グァムなら、1月はベストシーズンだそうですよ。

『酸いも甘いもシッタカ姐さん』 ひらふ

 必然性のわからない強引な下ネタが持ち味。北海道名物ちくわパンを思い出しました。
 ちなみに、バイキルトドラゴンクエスト)、ヘイスト(ファイナルファンタジー)、ワオ(グランディア)、ランナ(グランディア)です。

『はるまち・ダンス』 佐藤両々

 油絵具には、鉛白という顔料が使われている場合があり、継続的に摂取すると(そんなことはしないでしょうが)鉛の慢性毒性が問題になります。
 フェイス用が安心かというと、大昔はそうではなく、江戸時代の白粉にも、鉛白が使用されていたのだとか。使用頻度の高い歌舞伎役者には、肌からの吸収によって、鉛中毒で命を縮めた方も多かったそうです。
 疫学調査動物実験ができない時代には、重金属の慢性毒性の評価は難しいですからね。秦の始皇帝は、不老長寿のために水銀を摂取して、死期を早めたと言われています。

『メリー3と疾風堂コロラチュラ』 胡桃ちの

 休刊にともなう作品の処遇は、まだオープンにされていませんが、この作品に関してだけは、竹書房の紙のファミリー誌への移籍は難しそうです。なぜなら、胡桃先生は、まんがくらぶまんがライフまんがライフオリジナルまんがライフMOMOの全てに連載を持っているから。

『ラジ娘のひみつ』 小坂俊史

 次回最終回。
 小坂先生は、漫画に対して貪欲ではあるけれど、船が沈んで、救命ボートに一人しか乗れないようなときには、あっさりと若手に席を譲り、自分は自力で泳いで助かろうとする、みたいなところがあるような気がします。
 どんな漫画でも2回あれば終わらせられる剛腕を、久しぶりに発揮することになりそうです。
 「深夜のホッとタイム」 おだやかでにこやかな大惨事。
 「ラス前にして」 対処法その1: 辞表を書く(いきなりかい)。
 「トークスキル」 対処法その2: アドバイス。文字通りにやるが、文字通りにしかできず。
 「せっかく足したのに」 対処法その3: 歌でごまかす。シンガーは泰葉?
 「ぼくが本気を出せば」 対処法その4: カキヌマが本気を出す。一肌脱ぐために、文字通り上半身裸になるのは北斗神拳っぽいが、見事なほどに非体育会系。ダメージを全て自分で引き受ける捨て身の技。
 「昭和の発想」 対処法その5: 叩く。昭和の時代、本当にブラウン管テレビは叩くと直り、ファミコンカセットは吹くと直ったのですよ。
 「平成の発想」 対処法その6: 声優に転身。『ラジ娘のひみつ』と『ラジオでGo!』を分かつもの。
 「同情するなら批判くれ」 対処法その7: 同情を誘う。
 「生き馬の目を抜く世界」 対処法その8: 演技に賭ける。スタッフとマネージャーにおける別の次元のつらさ。結果によっては、生き馬の目を抜くスピードで、ラジオに見切りをつけるつもりでいた女。
 「いつものアレ」 デレる郵便局員
 「賭け」 対処法その9: いつもの自分のままで、勝負に赴く。ディレクターの決意が3コマ目と4コマ目だけから、痛いほどに伝わってきました。ギアがチェンジして、ひとりの女の子の自己実現のための闘いが始まります。この状況から逃げない。藤子・F・不二雄『ひとりぼっちの宇宙戦争』の「こっちだ!もう逃げないぞ!!」のシーンを連想しました。