今月のまんがくらぶ

まんがくらぶ2009年7月号の感想


 神仙寺瑛先生の『天使の事情』は休載です。神仙寺先生は、他誌でも休載中で、単行本発売も延期となっており、心配がつのります。休載の理由は、アナウンスされていませんが、悪いことでないことを祈ります。


『うちは寿』 小池恵子
 タイトルバックが可愛いですね。
 勉強がいやで、うだうだする孫3人。孫1号と孫3号はゴロゴロと、孫2号の美鶴さんは、てきぱきと家事を。
 結局、孫3人で勉強会。美鶴は千宏の教育役。仲がいい姉弟ですね。微笑ましいです。


『まごころ』 魔神ぐり子
 家庭内のボケ役は、お父さんだけみたいですが、学校内でのボケ役は、個性豊かな先生方が担ってくれるみたいです。


『手のりおかん』 カツピロ
 父親が蒸発して、どうやってド貧乏から、普通の状態まで、経済状況が好転したんでしょう。娘の就職はあるにしても。お金を使う父親がいなくなったら、なんとか暮らしていけたんでしょうか。
 最後に父親が登場。これは新展開なのか。最終回が近いのか。いずれにしても、ファンタジー色の強い作品に、泥臭くリアルな人物が入り込んでしまいました。こちらのほうが、もともとの作者の作風なのでしょうが、この漫画に関しては、最後までファンタジー路線でも良かったように思えます。


森田さんは無口』 佐野妙
 牧先生、引っかけ問題を作る。途中までは、『せんせいになれません』の河田のように、「なんつーか100点の出来」とでも言いたげに満足そうでしたが、平均点が低いことを指摘されて反省。このへんは河田と違いますね。


『せんせいになれません』 小坂俊史
 2色カラー。
 「パンデミック」 1コマ目の「インフルエンザなんかには負けねえぞ!! 」って台詞は、インフルエンザ以上の欠席者を出すぞ、という意味だったんですね。ちょっとオカルトな、やまいだれ風味です。サボりたがりウィルスは、インフルエンザウィルスに比べれば、害はなさそうですね。
 「いい仕事したなあ」 生徒の点数が低いことで、テスト作成の達成感を味わう河田。気持ちはわかりますが、教師としては、かなりダメダメです。
 「甘いものへの執念」 なつかしいなあ、クルーン日清製粉の簡単ケーキキットですね。子供のころ作った記憶が。夜の10時まで学校で粘るという体験も、生徒にとっては、社会勉強のひとつかも知れないですね。
 「やさしさ」 シンプルなタイトルが胸に迫ります。6年1組男子も、池田に対してやさしいですね。
 「3回で終了」 32面体のサイコロは自作したのでしょうか。売っているのを探してきたのでしょうか。いずれにしても、かなり手間がかかっています。また、8人の仲間を募ったうえで、32面体であることを、仲間の8人以外には秘密にしなければならないのだから、なかなか大変です。溝渕くんは実務能力が高いですね。さすが頭脳派。ヒーローと呼ばれた男。しかし、苦労の結晶を、河田、池田に足蹴にされるとは。かわいそうです。
 「おニューの水着も買ったのよ」 1コマ目、和泉が、プールの予定を聞きにくるのに、関係ない沢口を連れているところから、だいたいの目的は読めました。ネタが割れそうな3コマ目で、直接にオチを読ませないところがテクニックですね。
 「裁かれるオレ」 裁判員制度が始まりましたね。やっぱり小学校でも、裁判員の模擬裁判とか、授業でやるのかな。6年生くらいなら、やっていても不思議は無いですね。
 「300円のビニール」 1コマ目、この漫画では割と珍しいランドセル姿。小学生漫画だけど、舞台は校内が中心で、登下校シーンって、比較的少ないですからね。
 「夢はちっさく」 中野やよいと友沢むつき、深夜アニメ(『けいおん』でしょうか)を見て、バンド作り、ミュージシャンを志す。意外なサイダース結成秘話です。河田の特別授業を受けても、夢は大きく、結局はプロミュージシャンへの道を選んだわけですから、これは天晴れと言うべきでしょう。
 「心の汗だ!! 桃山」 桃山にタオルを差し出す池田。何だかんだ言っても、ほっておけないんでしょうね。
 「しあわせなぬれねずみ」 子供よりも子供っぽい河田と池田。ある意味うらやましいです。


ひよわーるど』 橘紫夕
 古文の授業は、源氏物語ですね。
 遠足の話。『ひよわーるど』の舞台は大阪だったんだ。駅スポーツランドは、エキスポランド、スパナワールドは、スパワールド、怪遊館は、海遊館ですね。
 調べてみたら、エキスポランドは、人身事故後の入場者減で、閉園、破産していたんですね。知らなかったです。
 「マリネラ」は、『パタリロ』の舞台の常春の国。「ずっと春ならいいのにねー」に呼応しているわけですね。


『桜色デイズ』 高野うい
 世界一まずい飴、サルミアッキ。食べてみたいものです。私は、結構味覚の許容範囲が広いので。オーストラリアのベジマイトも、タイのドリアンようかんも、美味しく食べられたので、ひょっとしたら大丈夫かもしれません。


猫びよりヒルネちゃん』 智
 今さらですが、猫を飼わない猫漫画というのは、新機軸かもしれないなと思っています。


ゆるめいつ』 saxyun
 あの家具の少なさで、どうしてキノコが生えるほど、湿気がこもったのかが謎です。ある意味恐怖漫画。


『お一人様二つまで』 内田春菊
 ケーキにうんざりする話なのに、なぜか紹介レシピはシュークリーム。何を考えているのでしょう? おそらく、整合性とかは、何も考えていないのでしょうね。なげやりな仕事の態度がうかがえます。


『父派なわたしじゃいけません?』 渡辺圭祐
 ゲスト。以前の作品では、父に対してツンデレな娘という感じだったのですが、今回は、かなり露骨に父親愛を表しています。こうなると、単なるファザコン漫画とも見られかねないので、さじ加減が難しいですね。


マーメイドブルース』 小池田マヤ
 津波とスコールとサイクロンと雷は、現実にあったことなんですよね。イメージだけじゃないですよね。大勢の死人が出ているかも、なわけですよね。スッキリとか言って、ギャグにしようとすることに、違和感を消せないのですが。


ぼのぼの』 いがらしみきお
 オリちゃん編最終回。スナドリネコさんが、ヒグマの大将に向けた「ともだち」顔は、この話の最後にふさわしかったですね。