妃は船を沈める

 有栖川有栖の長編ミステリ。とはいえ、実際のところは、登場人物が重なる中編ふたつの連作となっています。
 「猿の左手」では、ウィリアム・W・ジェイコブズの「猿の手」を巡る議論が、事件の真相を照らし出す構図が面白かったです。
 「残酷な揺り籠」では、地震という突発事項が、犯人の犯行計画を、いかに狂わせたか、という点が面白かったです。


妃は船を沈める

妃は船を沈める