2009-07-09から1日間の記事一覧

カラスの親指

道尾秀介の長編ミステリー。 リーダビリティーの高い良作。いかにも道尾秀介らしい展開もありです。 大掛かりな詐欺と、擬似家族の物語。読後感は、爽やかさと寂しさとが同居します。 カラスの親指 by rule of CROW’s thumb作者: 道尾秀介出版社/メーカー: …

本格ミステリ09

毎年恒例、本格ミステリ作家クラブによる、2009年本格短編ベストセレクション。 『しらみつぶしの時計』 法月綸太郎 同名の短編集で既読。ほとんどヒントが無い条件で、1分ずつ違う時間を示した1440個の時計の中から、正しい時刻を指している1個を選ぶと言う…

福家警部補の挨拶 福家警部補の再訪

大倉崇裕の連作短編推理小説。 刑事コロンボを思わせる倒叙推理小説(犯人の側から描かれたミステリ)です。 個人的には、倒叙推理小説は、あまり好きなジャンルではありません。一般の推理小説が、犯人が捕まるという、一種のハッピーエンドが約束されてい…

爆発的 −七つの箱の死−

鳥飼否宇の連作短編推理小説。 現代美術の創作を行う個人美術館が舞台になり、次々と事件が起こります。現実離れした舞台設定のために、ミステリというより、現代アートに関する奇談集といった印象を受けました。 なんでもありの現代アートの、残酷さ、グロ…

バイバイ、エンジェル

笠井潔の長編推理小説。 1979年に発表された、日本の本格推理小説における記念碑的作品です。今頃になって読みました。 舞台はパリ。フランス在住経験のある著者ならではの臨場感で読ませます。 ヴァン・ダイン的な連続殺人事件。あまりに人が死にすぎるので…