バイバイ、エンジェル
笠井潔の長編推理小説。
1979年に発表された、日本の本格推理小説における記念碑的作品です。今頃になって読みました。
舞台はパリ。フランス在住経験のある著者ならではの臨場感で読ませます。
ヴァン・ダイン的な連続殺人事件。あまりに人が死にすぎるので、生き残った者が犯人(当然ですが)というところも、初期ヴァン・ダイン的に感じます。ロジカルな本格推理小説の傑作です。
最初の殺人で、死体の首が切断された理由が、すごくスマートなのが印象的でした。
物語的には、ナディアがちょっと邪魔に感じます。
(以下はネタバレ) 連合赤軍事件への対峙が、裏のテーマになっており、その意味では、大江健三郎の『河馬に噛まれる』を思い起こさせます。
- 作者: 笠井潔
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1995/05/12
- メディア: 文庫
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