ビッグコミックオリジナル2016年2月5日号

ビッグコミックオリジナル2016年2月5日号の感想

『フイチン再見』 村上もとか

 連続して読んでいないので、おこがましいのですが、光り輝くような画面に鳥肌が立ちました。

『まどいのよそじ』 小坂俊史

特別編10 珍姓
 王嶋環先生が「姓変えるのほんっとおおおおおにいろいろ面倒くさかったからね!」とツイートしていた実体験から、ネタを発展させたのでしょう。ネタ元として、嫁を骨までしゃぶりつくす勢いですが、エッセイ漫画というかたちをとらないあたりが、作家性でしょうか。
 『わびれもの』のようなレポート漫画は描くけれど、プライベートについては、『遠野モノがたり』や『新婚よそじのメシ事情』のように、フィクションのフィルターをかけて、再構成してから作品にするスタイル。このことは、作品はシビアで、人物はシャイ、という作者の特性と、おそらく無縁ではないのでしょう。
 1ページ目、下のキャラ紹介の四角が、オチの役割。
 2ページ目は、黄金分割っぽいコマ割りで、閉塞感を演出しています。最後のコマのバツイチさんは、ちょっと『ひがわり娘』のみっちゃんぽい。
 「下粉餅」は仕事に便利なのか、不便なのか。覚えてもらいやすくはあるでしょうが、電話口で名乗っても、知らない人にはまず聞き取ってもらえなくて、難儀をしそうです。
 最高裁判決は、「夫婦同姓は違憲とまではいかない」ということなので、夫婦別姓の合憲性は微塵も揺らいだわけではないのに、そうでない印象を与えようとする人たちがいるのが不思議ですね。
 4ページ目は、主人公の体が常に右前を向き、後半は顔も右向きで、彼女の前のめり感を演出しています。
 最後の1ページは『女子旅に出る』な感じに。都市から田舎への転換で、作品の空気も変化しています。多少は頓珍漢でも、閉塞から解放へ。