わびれものゴージャス

 小坂俊史の旅レポート漫画単行本。わびれものシリーズ2冊目。
 わびれ(わび+さびれ)を求めて、ミクロ(中野区内)から、マクロ(日本の端)まで、旅に出ます。
 前巻の取材先は、相模湖、無人駅、冬の江ノ島、美川ムーバレー、西新宿、三木鉄道、奈良、足尾銅山、デパ屋、飯田線、広島、おおざわの石仏の森、日暮里・駄菓子屋問屋、四国・お遍路、上野・不忍池ブルートレイン宗谷岬納沙布岬、中のブロードウェイ、九州ローカル線、遠野、ロッテ二軍球場、キリストの墓、川原毛地獄、本州四端、山形県飛島、終着駅。
 今巻の取材先は、七戸十和田駅、古墳めぐり、都内富士美坂、東尋坊タワーモーゼの墓、都心釣り堀、四戸を追う、弥彦競輪、座散乱木遺跡、休止駅、廃線跡清里小坂町楊貴妃の墓、世界平和大観音、ひとりの町、東京の井戸、早朝相撲、拘置所・刑務所、UFOの里、紀州鉄道牛丼太郎五色園、オートパーラー、無番地、縁切りスポット、波照間島
 日本最東端、最北端、最南端と、本州最北端、最東端を含む日本全国マイナースポット。
 レポート漫画にもボケと突っ込みは基本的に必要なもの。小坂先生に突っ込む役は、まんがライフMOMO編集長のスズキさんで、軽妙なやり取りが魅力となっています。ただし、時には取材対象の物件自体がボケて、小坂先生が突っ込むことも。
 取材に出かけてみて、そこが賑わっている(わびれていない)と、作品に使えずボツになるという厳しく、業の深いしばり。かといって、寂れすぎていても、ハズレとなるシビアさ。
 回を追うごとにレポート漫画のスキルが向上していくのも読みどころ。メジャー観光地がファミレスだとすると、マイナースポットでのネタ探しは自給自足のサバイバル。土地への心惹かれ方が、最後には「そこで死にたい」と言い出すほどの、なんというかプリミティブさを持っています。
 ちなみに装丁は、前巻が「るるぶ」、今巻が「ことりっぷ」を意識したものになっています。決してメジャーな旅行ガイドには載らない場所を目指す、全国の旅人達へ。
わびれもの (バンブー・コミックス MOMO SELECTION)

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