下関旅行記

 4コマ誌感想が滞っていてすみません。そのうち、ぼちぼち再開します。
 今回は、小坂俊史先生の単行本『わびれものゴージャス』の発売を祝して、ゴールデンウィークに行った個人的なわびれ旅のレポートをしたいと思います。旅行先は小坂俊史先生の出身地でもある下関。実は、けっこう『わびれもの』の原点っぽい風景があって、印象的でした。

下関について

 私の下関の印象は、以下の3点でした。

1. 徹底的に歩車分離されている。

交通量の少ない交差点でも、横断歩道はほとんどスクランブル。駅前には超巨大歩道橋『人工地盤』が。下関は港の町で、漁港や釜山への国際港もあるのですが、第一の印象は物流のための港の町。トラックが多く通る土地柄なのでしょう。お金をかけて、交通事故対策をしている印象が強かったです。

2. 高さ153mの海峡ゆめタワーを作った人たちは、たぶん悪い夢を見ていたんだ。

 下関駅前の『人工地盤』に立つと、下関市街のランドマークは3つ。巨大ショッピングセンター『シーモール』と、クラシックなホテル、そして海峡ゆめタワーです。



 海峡ゆめタワーは、高さ153mの威容を誇ります。物流の町下関に観光客を呼ぶための切り札であったのでしょう。眺望は抜群です。しかし、実際に観光客を呼び、採算が取れているかには疑問符が。訪問日は4月30日だったのですが、ゴールデンウィーク中の平日という条件で、先客は7人。やっちまった感がひしひしと。海峡ゆめタワーについては、後でレポートします。


3. 巨大ショッピングセンター『シーモール』のほうが、秋芳洞よりダンジョン。

 下関駅前にあるショッピングセンター『シーモール』は、大丸とエストと専門店街の3つのショッピングセンターが、キメラのように複合した巨大施設。内部構造が複雑なのに、施設内の案内図は、それぞれのショッピングセンターについてのみで、互いの位置関係についての情報がないものだから、混乱して迷う迷う。前日に訪れた秋芳洞が、徹底的に交通整理されていたのとは対照的で、まさにダンジョン。ドラクエ感を味わいたいなら、秋芳洞よりシーモールへ。
 シーモールは船の形をしたダンジョンです。



一応、秋芳洞では瓦そばも食べたよ。


下関スケッチ

 下関の風景いろいろ。
 釜山への連絡船。



 海岸は物流拠点。



 ちょっとさびれた旧市街。




 巨大歩道橋のある風景。駅前から釜山への港まで、歩道橋が延びています。




 下関産ではないがフグ刺し700円



 そして海峡ゆめタワー


海峡ゆめタワー

 市街からよく見える海峡ゆめタワーですが、アクセスはちょっとわかりにくいです。併設されているオフィスビルに入り、4階の庭園を抜けると入口があります。スカイツリーと似た方式。しかし、オフィスビルに人影がまばらで若干ビビります。お土産やさんも17:00前に閉まっていました。
庭園部分には、こいのぼりならぬ、ふぐのぼりが。よく見ると斑模様で、腹が大きいです。



 600円払ってエレベーターへ。係員さんの誘導は実に親切。
 一人ぼっちで153mへ。エレベーターはシースルー。ぐんぐん上昇していく景色が独り占めできるのは贅沢です。
 タワー頂上からの景色はこんな感じ。本州と九州の風景が一望できます。下関と門司がくっきりと。なるほど、この位置に展望台があるというのは観光客には非常にありがたい。しかし、タワー頂上の先客は7人。採算が取れているかは不安でありますが。





 東尋坊タワーの3倍の高さで、東尋坊タワーっぽい風景が。恋人の聖地らしいです。漂うわびれ臭。まあ、下関におけるデートスポットであることは間違いないのでしょうが。




 いかにもお役所仕事で建てました感の漂う高さ153mの恋人の聖地。地元民にとっては、誇りだけでなく、複雑な感情も生み出すものでしょう。小坂俊史先生が、わびれスポットにツッコミをいれる精神の奥のほうに、ふるさとのこの風景が横たわっているような気さえしました。