今月のまんがライフオリジナル

まんがライフオリジナル2012年8月号の感想


おうちがいちばん』 秋月りす
 「よその奥さん」「よそのダンナ」 息子の結婚というのは、よその夫婦の赤裸々なプライベートを観察する絶好の機会なのでしょう。評価は甘口、口調は辛口。


『星降り村事件ファイル』 碓井尻尾
 星川さんのボケと、太郎くんのノリツッコマズと、華子さんのアエテツッコマズ。
 「ホラーですな」 操っているのが校長先生レベルでよかった。影響は小規模。
 「逆にわざとなのか」 田舎の山と空が美しい。宇宙人は何の用があってここに?
 「うけうり」 気は優しくて力持ち。


『しょっぴんブギ』 佐藤両々
 「多分信用してくれた」 定本さんなら「怖いかも」と思わないことを。
 「ひとつやふたつ」 忘れがちになる偽乳設定。
 「15kg2000円」 氷の販売単位は1貫、2貫。1貫は3.75kgなので、15kgは4貫目。よく運んでこられたなあ。


『野村24時』 板倉梓
 水着回。中年男を巡る甘さと辛さのバランスが作者らしい。自虐趣味は甘やかさない。


『晴れのちシンデレラ』 宮成楽
 ライオリのスイカは繁殖力が強すぎる。


『ゆにいる』 渡邉
 確かに仲居業界に一石を投じる格好。仲居さんの身の安全が心配だ。密室だし。
 「あの種は今」 ライオリのスイカは繁殖力が強すぎる。
 「自然食」 野生の仲居、飼われる。


『ベルとふたりで』 伊藤黒介
 MOMO未読者にはコメディに、MOMO既読者にはホラーに見える仕掛け。タイトルバックからそんな感じ。
 リジイアからすずを守るのは、ベルか、イヴか。


『よっけ家族』 宇仁田ゆみ
 新連載。三重県ローカル漫画。


『だから美代子です』 むんこ
 「イベント」 夫の墓参りを「イベント」にできるまでには、どんな慟哭の日々があったかが想像できるあたりが、むんこ作品。


『奥様うでまくりっ!』 野中のばら
 夫を家に残して主婦だけでキャンプ(本格的)。ある意味主婦のユートピア漫画。


けんもほろろ』 ハトポポコ
 テーマは花火。学校生活の日常のなかで花火をするわけにはいかないから、必然的にストーリー仕立てになります。
 「即答」「エビバディダンシン」 そのストーリーから離れた2本。「エビバディダンシン」は、台詞を抜いてクイズにしたら、すごく難易度が高そう。
 「大人」 3コマ目を無言にするために、2コマ目にすごく台詞を押し込んでいるのが面白い。


『ふたごもんじゃ』 矢直ちなみ
 最終回。いつもどおりでエンディング。矢直先生の優しい世界は、唯一無二だと思うので、ぜひとも次回作を。


『惑い星と花』 野広実由
 急転直下の悲劇ながら、結果としてきちんとした人生を歩めているなら、それは逆転ホームラン。


『大カラスヤサトシの大発明大王』 カラスヤサトシ
 LEDは、電気抵抗が一定でなく、少し電圧が高すぎると、過大な電流が流れて壊れてしまいます。電池とつなぐ場合でも、電圧の調整のため、抵抗を回路にいれることが必要となります。カラスヤ先生はLEDに電流を流しすぎて壊してしまったのであって、正しく使ったLEDの寿命ではないと思います。


『モノローグジェネレーション』 小坂俊史
 「中学生ひとみ(14)の旅」 2コマ目の先輩の浮ついた表情がいかにも中学生らしい。2コマ目と4コマ目の平坦な表情の2人の顔。どこかで見たと思ったら、いしいひさいち先生の『死斗!! SF巨編 地底人対最底人』の最底人でした。「お おまー」「あっあ あほやろー」
 「ストリートミュージシャン・ニコ(24)の旅」 自転車で歌の日本一周か、北海道が大変そう。ストリートミュージシャンに耳を傾けるのは、ほどほどの都会における文化という気がするだけに。
 「OLみのり(31)の旅」 気が重い社員旅行。コミュニケーション嫌いな人間にはきついイベントです。
 「大学生一穂(19)の旅」 一人旅を続けていくと、次第にそのショボさが味になってきます。
 「小学校教師イツ子(59)の旅」 オバチャン20人と、小学1年生40人か、どっちもうるさそうだなあ。
 「イラストレイターなのか(33)の旅」 仕事をしなくて、後でキツくなるのは自分なのですが、分かっていてもなかなか。
 「女社長しのぶ(44)の旅」 城崎と草津で、神仙寺瑛先生の『天使の事情』を思い出しました。
 「年金生活者ナナ(73)の旅」 病院と墓を探しての旅って、結構センチメンタルで少女趣味な気がします。ナナさん乙女。
 「中学生ひとみ(14)の旅(未遂)」 まあ、普通の生活をしている14歳では、その言葉の本当の意味は理解できていないでしょうからね。松尾芭蕉の境地ですから。月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。