今月のまんがライフオリジナル

まんがライフオリジナル2012年3月号の感想


おうちがいちばん』 秋月りす
 「オールスターで」 シンデレラの台本も用意した模様。本格的なドラマ仕立て。
 「ベテランの技」 揚げながら食べるは基本ですが、飲みながら揚げるはレベルが高い。


リコーダーとランドセル』 東屋めめ
 美容師さんとあつし、美容師さんとあつみの勘違いの会話がお見事。この漫画の基本パターンですが、新シチュエーションや、新キャラが出てくると、やはり切れ味は別格です。
 あと、美容師さんたちも、十分胸が大きい。


『しょっぴんブギ』 佐藤両々
 現実世界ではバレンタインデー前ながら、雑誌の中では早くもホワイトデー。
 「お返し」 かわいいなあ。このカップル。


『野村24時』 板倉梓
 「係」 4コマ目、月ちゃんがちょっと頬を染めているのがかわいい。
 「倒置法」 顔色ひとつ変えずに、人をキモい呼ばわりをする先生のマイペースっぷり。
 「手持ち無沙汰」 先生のマイペースっぷりは健在。
 「多数決」 ある意味ハーレム状態。全然なじんでないけど。
 「オッサンのミッション」 婚期発言にも、表情ひとつ変えない三姉妹。


けんもほろろ』 ハトポポコ
 ハトポポコ先生の絵は、すべて「静止」しているのが味ですね。高速シャッターで切り取ったような絵。
 「ソロ」 この作品も、すばやく動いているのに静止している。一人会話は、落語じゃなくて、一人漫才でした。


『よんこまのこ』 重野なおき
 「映画館で見るアレ」 映画泥棒に目線が入っているのは、著作権対策なのでしょうが、著作権啓発キャラの著作権って、ちょっと複雑ですね。


『ういういdays』 犬上すくね
 前回の最期で1年後のエピソードに飛んでいましたが、まさかそのまま時間軸が1年後にずれるとは。なんという荒業。
 ハッピーエンドへの持っていきかたも剛腕。次回最終回。


『とーこん家族』 よしもとあきこ
 「天国と地獄」「ウエルカム」 災い転じて福となす。


『モノローグジェネレーション』 小坂俊史
 テーマは試験、人生経験における試験のほとんどのシチュエーションを網羅しています。このあたりは、ジェネレーションものならでは。
 「中学生ひとみ(13)の試験」 中学1年生の定期試験の高揚感。祭りのような感覚も、学年を重ねるごとに薄れていきます。
 「ストリートミュージシャン・ニコ(24)の試験」 メジャーデビューしたアーティストには、真の敗者の歌は歌えない。敗者の誇りの歌、路上に響く。
 「OLみのり(30)の試験」 後輩の「いつまでもOLじゃダメっすよ」というのは、ちょっと危うい上昇志向かも。博打打ち的なノリが感じられます。それに対し、賭博とは距離を置いた人生を歩みたいみのりさん。
 「就活生新子(22)の試験」 選ばれる側。なんという大胆な解決法。
 「女社長しのぶ(43)の試験」 選ぶ側。考えてみれば、厳しい就職試験でも、日本全体での合格者の平均点は、そんなに高くなるはずもなく。いくら人材を厳選しみても、成果にはおのずと限界が。それを知りつつ、合格不合格を告げねばならない苦さ。
 「大学生一穂(18)の試験」 社会に出て、学力より必要とされるのは、コミュニケーション力。なんでもありの大学の試験は、実はコミュニケーション力を鍛える場でもあるのです。
 「小学校教師イツ子(58)の試験」 シビアなときにはシビア。自由な発想力を育てるためには、評価を狙ったせせこましい作為は排除すべきですからね。
 「イラストレーターなのか(32)の試験」 なのかさんは高卒なのか。そっくりそのまま小坂先生の分身というわけではないんですね。虚実のあわいの面白さ。
 「高校生キョウコ(18)の試験」 めでたく大学生になったキョウコちゃんを見たいのですが、そうなると、一穂ちゃんと設定がほぼ同じになってしまうからなあ。作品の幅を持たせるために、浪人生になってしまうのでしょうか。高校入試のエピソードから、感情移入をしているキャラクターだけに、心配でなりません。
 「年金生活者ナナ(72)の試験」 2コマ目の「ぺっ」が潔い。不自然でなく間違うのには、頭を使いますからね。ランダムなものほど難しい。ひとり暮らしですから、ボケ始めには気を使われます。いいご近所さんです。
 「中学生ひとみ(13)の試験後」 中学1年生になって、成績の順番が意味を持ち始めた時って、実に不思議だったのを覚えています。それにしても律子ちゃん、15点というのは問題が…