今月のまんがライフオリジナル

まんがライフオリジナル2012年1月号の感想


『しょっぴんブギ』 佐藤両々
 タイトルバック:白土三平風?
 「気合の入った出で立ち」 李小龍ブルース・リー
 「そういえば」 なにか作品の根幹にかかわる指摘。恋愛編に終了の気配。


『だから美代子です』 むんこ
 ゲスト。夫の人が、寺島令子キャラっぽい。
 おじいさんは似顔絵描きの人かな。花丸町サーガは続きます。
 むんこ先生の作品では、『らいか・デイズ』、『だって愛してる』、『ハイパー少女ウッキー!』、『がんばれ!メメ子ちゃん』、『まい・ほーむ』と、どこかに突出して秀でた部分のある、スーパーガールが主人公になる場合が多いのですが、この作品の主人公、美代子さんには、特にスーパーガール的な設定はないようです。終了作品がいくつか出て、花丸町サーガに一段落がついたところ。むんこ先生にとっては、ニューチャレンジとなりそうです。


けんもほろろ』 ハトポポコ
 虫の話。傑作同人誌『もぐもぐ食べる4コマ』の作者らしい、サディズムとコミュニケーション。


『野村24時』 板倉梓
 2本立て。板倉先生のTwitterによると、「一本目はゆにいるを、二本目はわびれものをほんのり意識してネームかきました」ということのようです。


『モノローグジェネレーション』 小坂俊史
 「中学生ひとみ(13)のクリスマス」 友達同士でクリスマスパーティーをするのにも、ちょっと早い微妙なお年頃。他人と違う特別な自分でいたいという自意識の過剰ぶりも13歳ならでは。
 「ストリートミュージシャン・ニコ(24)のクリスマス」 ニコさんは24歳だったはず。タイトルは誤植でしょう。この作品、女性8人のクリスマスストーリーなのに、どれもがある意味、非リア充漫画になっているのが面白いですね。モノローグだから、基本にあるのは韜晦と孤独であり、あまりラブラブしたものは描けないのでしょうが。非リア充クリスマス漫画に続いて、行け! 非リア充クリスマスソング! 需要はあると思います。
 「OLみのり(30)のクリスマス」 しょっぺー。そういえば、小坂先生も、クリスマスにホールケーキを一人で食べるのが習慣だったはず。今年はなぜか蒙古タンメンになったようですが。
 「大学生一穂(18)のクリスマス」 スイートな恋人同士の話のはずが、なぜこうもクール&ビターになるのか。指摘はもっともですが。
 「女社長しのぶ(43)のクリスマス」 人生で得たもの、捨てたもの、その大きさと対比される、行動のセコさ。「ちょっとちがうかハハハ」、違います。
 「イラストレイターなのか(32)のクリスマス」 リアルな話がファンタジーに昇華。出版業界に感謝しましょう。
 「小学校教師イツ子(58)のクリスマス」 まあなんだ、一種の情報統制ですからね。サンタの正体については。
 「年金生活者ナナ(72)のクリスマス」 1年目はうまくいったんだ。鍵は開けておいたのかな。いろんな意味でファンタジーな村。
 「中学生ひとみ(13)の聖夜」 子どもと大人の中間で、ファンタジーとリアルに挟まれて。


『わたしのハテナちゃん』 柘植文
 ネイルの話。
 この取材、小坂俊史先生も誘われていたのですが、ネイルが風呂で落とせないと聞いてビビり、辞退したそうです。
 結果として、それは正解だったようです。今回のレポート漫画、密度は濃いし、ゲストの板倉梓先生もキャラが立っているし、なかなかの傑作。もしも小坂先生が入っていたら、ごちゃごちゃしすぎて、収拾がつかなくなったかもしれません。