今月のまんがライフオリジナル

 まんがライフオリジナル2011年12月号の感想


『野村24時』 板倉梓
 人生の一大事が、一匹のゴキブリ退治で変わる妙味。


『しょっぴんブギ』 佐藤両々
 栗栖ちゃん年貢の納め時。小道具が効いて、義龍くんは男前。


『ふたごもんじゃ』 矢直ちなみ
 浜田君にも恋の季節。見分けはつかないけど、香乃が好き。


『MEDIGIRL』 道端千揺
 鳥居くんと島居くん、エンタルピーとエントロピーくらいまぎらわしい。


『よんこまのこ』 重野なおき
 「動物か?」 最後にオチをつける話法。るい君に流れる4コマ作家の血。
 「なぜ悪者」 あいちゃんの「はなせー」は、バイキンマンの影響でしたか。


けんもほろろ』 ハトポポコ
 「まるで伝わらない」 いや、結構伝わりますよ。自由のダンス。


『12月生まれの少年』 施川ユウキ
 夜の学校、縦笛と非常ランプの非日常。深い叙情に満ちる最終回。


『モノローグジェネレーション』 小坂俊史
 「中学生ひとみ(13)の音楽」 CDラジカセでヘビーローテーションIpodじゃないところがミソ。CD売り上げ不振とか、レンタル音源のデジタルコピーとか、中古販売の是非とか、諸問題はともかく置いて、音楽はまず楽しむことが命、無邪気で幸せな時間。
 「ストリートミュージシャン・ニコ(24)の音楽」 音楽家としての自己主張と、エンターテイナーとしてのミュージシャン、相反する二つの貌を両立させてしまうのも「音楽のチカラ」。
 「OLみのり(30)の音楽」 90年代は、カラオケソング絶頂期でもあったから、シニアが無難に曲を選ぶと、90年代「懐メロ」になってしまうことは、ままあります。でも、そこから、90年代ソングのスペシャリストになろうというのは、かなり柔軟な思考。
 「女子大生一穂(18)の音楽」 おおドラマティック。自分の才能に無自覚で、自分の意志に素直なのが心地いい。振られるのを待つ一穂のブラックさも。
 「小学校教師イツ子(58)の音楽」 これも小説のような1本。音楽の楽しさと、音痴による教育の是非。
 「イラストレイターなのか(32)の音楽」 まあイラストレイターも、画力のほかに、営業力はどうしたって必要ですからね。ただし、画力があってこその、口八丁手八丁なわけで。
 「ストリートミュージシャン・ニコ(24)の作曲」 まあアレンジの余地があることも、曲の持つ実力でしょうから。
 「年金生活者ナナ(72)の音楽」 ツンデレババア。
 「中学生ひとみ(13)の浮気」 ひとみちゃんドライ。ヘビーローテーションしていたころには気づかぬこと。