今月のまんがライフMOMO
まんがライフMOMO 2011年5月号の感想
『晴れのちシンデレラ』 宮成楽
「片足64回転」 春さんの運動能力が凄いのはもちろんだけど、柔軟性も凄いんですね。
「キラキラにむけて」 4コマ目の素晴らしい笑顔が印象的。
「かわいくできました」 4コマ目、顔に影を作りながらも笑顔のあたるくんがけなげ。
『崖っぷち天使マジカルハンナちゃん』 佐藤両々
子育て中の作者だけに、5歳児がリアルなかわいさです。恵奈を眠らせ、メイシンを眠らせることで難関を突破。この手があったか。
『家政婦のエツ子さん』 こいずみまり
日本でラングドシャというと、薄焼きのクッキーがメジャーですが、チョコレートのラングドシャも売っています。ウィーンのお菓子メーカー、デメルの猫ラベルチョコレートなどが有名ですね。影響されて、実際に買ってみました。適度に薄くてパキッとした食感が楽しめます。チョコレートの特長を生かす形状になっていますね。
パッケージがこちら。猫が舌を出しています。
フランスのボンボン・オ・ショコラは、薄いチョコレートのコートがパリッとわれて、中のガナッシュがスッと溶けるのが魅力。私は、昔の近藤史恵先生のホームページにあったチョコレートガイドの影響で、チョコレート好きになりました。
『青春甘辛煮』 碓井尻尾
「くれー」 ハチ。やっぱりフルネームは清河八郎なのかな。
「貢ぎもの」 困窮メガネ。ちょっと『せんせいになれません』の池田っぽい。
『まぐばぐ』 東屋めめ
最終回。美月さん、なんたるナイスバディ。上着をはおったとはいえ、あのコスチュームのままで宅配便に応対する大胆さもよし。
『わびれものゴージャス』 小坂俊史
全日本タワー協議会の参加タワーは、高さの順に以下の20タワーとなります。
東京タワー(333m)
福岡タワー(234m)
名古屋テレビ塔(180m)
空中庭園展望台(173m)
プレイパークゴールドタワー(158m)
海峡ゆめタワー(153m)
さっぽろテレビ塔(147.2m)
ツインアーチ138(138m)
東山スカイタワー(134m)
京都タワー(131m)
クロスランドタワー(118m)
千葉ポートタワー(113m)
神戸ポートタワー(108m)
五稜郭タワー(107m)
横浜マリンタワー(106m)
通天閣(103m)
別府タワー(100m)
銚子ポートタワー(57.7m)
東尋坊タワー(55m)
夢みなとタワー(43m)
臨海地域にあるタワーが多いですね。
東尋坊タワーへ。ツッコミどころ満載。2ページ目、招き猫の前のおみやげは、小坂先生のtwitterにあったこちらの写真の商品ですね。すごいネーミング。中身はチョコチップクッキーのようです。
なつかしい80年代ファンシーキャラ。たしかに昭和の観光地っぽい。東尋坊の由来には爆笑。笑いごとではないですが。そして、東尋坊が見えない東尋坊タワー。ある意味すげえ。寛大な小坂先生をツッコミの鬼にするボケの数々。
そして漫画は一気にシリアスに。死への誘惑と生への執着。ネガティブを自任する小坂先生ですが、恰好のいい死よりも、ぶざまな生を、断固として選ぶ強さがあります。「私は生きてメシを食うのだ」という言葉は、『ふたりごと自由帳』所収の名作「カンケリ」に通じる姿勢です。
これは当たり前のことのようですが、英雄的な死を神格化する人々もいるのです。例えば、神風特攻隊を崇拝する小泉純一郎元首相や石原慎太郎東京都知事といった歪んだ精神を持った人々が、歪んだ精神のままで社会のリーダーとなっている日本の現状を考えれば、小坂先生の強さ、健全さは際立っています。
社会のリーダーが、英雄的な死に頼るのは愚の愚策です。現在大きな危機となっている福島第一原発の現場についても、生命のリスクを最小限にすることを念頭に対策をとってもらいたいものです。
今回の作品は、ツッコミどころ満載の東尋坊タワーから、自殺に対峙する生命力を引き出すという、祈りと力に満ちた優れたレポートになっていると思います。