先月のまんがくらぶ
まんがくらぶ2010年11月号の感想
「男女共学の学園を舞台にしながら、ほおっておくと女子しか出てこない漫画」といえば、まず『あずまんが大王』が頭に浮かびます。初めて『あずまんが大王』を読んだときには、描きたい対象しか描かないという潔さに、感心したものです。
その後、「女子しか出てこない共学漫画」は、萌え系4コマでは、定番のひとつといっていいジャンルとなりました。
ところが、気がつくと、「萌え」とはかなり縁遠いはずの「まんがくらぶ」においても、「女子しか出てこない共学漫画」の数が異様に多くなっています。数えてみると7作品もありました。
さらに考えてみると、いわゆる学園4コマのジャンルにおいては、ほとんどの作品が、「女子中心」か「男女ほぼ同数」であって、逆に「男子中心」の学園4コマは極めて少ないことにも思い至ります。
「男子中心」の学園4コマとして思い浮かぶのは、いしいひさいち「バイトくん」、植田まさし「まさし君」、小坂俊史「サークルコレクション」といったところ。いずれも、男性作家の半自伝的な大学生活漫画に限られています。
萌え系に限らず、4コマ漫画全般において、「学園」と「女子」と「4コマ」との親和性が極めて高いということなのでしょう。
まあ、昨今の風潮では、完全女性読者向けのイケメンだらけの学園4コマなんてものも、あるのかもしれませんが。
『せんせいになれません』 小坂俊史
こちらは「男女ほぼ同数」の学園漫画。
「5時までの距離」 2コマ目と4コマ目の対比が美しい1本。1ページ目のコマ配列ならでは。構図と河田の台詞がシンクロしているほか、和泉の台詞の「一目」と「一日」も、見た目の韻を踏んでいます。
「引きちぎられた思い」 ちぎった袖は、何に使ったんだろう。
「これが私の生きる道」 今すぐ全国の音楽教師の皆さんにも謝ってください。できれば土下座で。
「知識の使いどころ」 4コマ目、本格的なクイズ大会のセット。6年2組の大道具係のレベル高し。人生コツコツそつなしの山本くんが、利を得ました。
「香り高き居残り」 落し物と拾い物に、秀でた才能を見せる宮本さん。2コマ目、めずらしくオトナの顔を見せる沢口と和泉。子供にルールを説く二人の姿は貴重です。でも4コマ目では、すっかりいつもの姿。
「でっかい人だぞ!! 桃山」 牛乳で伸びる桃山。桃山は死ぬまで成長を続けるのです。そして、桃山父は巨大に。桃山祖父はもっと巨大に。
「意外と大事」 河田と宇津井さんの以心伝心。
『ひよわーるど』 橘紫夕
ほおっておくと女子しか出てこない男女共学学園漫画 その1。
バトンの投てきがアリだと、違う競技になりますね。
『森田さんは無口』 佐野妙
ほおっておくと女子しか出てこない男女共学学園漫画 その2。
肩揉ませてあげる券は新しい。
『けものとチャット』 みずしな孝之
ほおっておくと女子しか出てこない男女共学学園漫画 その3。
『数学女子』 安田まさえ
ほおっておくと女子しか出てこない男女共学学園漫画 その4。
映画の出口アンケートもアンフェアですね。よく覚えていませんが、非常に満足、満足、どちらかといえば満足、不満の4択だったりして、これで不満以外が満足にカウントされるのか、と思った記憶があります。
『オトウフようちえん』 オトウフ
ほおっておくと女子しか出てこない男女共学学園漫画 その5。
幼稚園は共学だよね。
『はな咲くけものみち』 華桜こもも
ほおっておくと女子しか出てこない男女共学学園漫画 その6。
下手の手の上で踊る似非田舎漫画。「山の神様に手紙を書く」という母親の行動も全く意味不明ですが、他人なのに「当然のようにそれを読む」婆さんの行動も、皆目理解できません。
『どれみ楽団』 中村ユキチ
ほおっておくと女子しか出てこない男女共学学園漫画 その7。