先月のまんがくらぶオリジナル

まんがくらぶオリジナル2010年4月号の感想


リコーダーとランドセル』 東屋めめ
 あつしは、沙夜ちゃんに対してだけでなく、誰に対してもパーソナルスペースが小さいですよね。小学5年生だということを割り引いても、あまりに遠慮がなく、躊躇なく体をくっつけていきます。女の子たちがドギマギするのもわかります。


『オフィスのざしきわらし』 小坂俊史
 「効果てきめん」 15×2という発想が出ること自体は、すばらしいのですが。オフィスの掃除は、モップを使ってやるんですね。ボールはどこから?
 「あわせて3時間」 この漫画は、総務部長に感情移入して、胃の痛くなる思いで読むと、マゾ的な楽しみがあります。ああ、この熱意を仕事にも。
 「大空の誤算」 策士策に溺れる。冷静な佐堀さんが、いい味をだしています。
 「モチベーション」 まんじゅう1個で10kmは、行きだけのエネルギーなんでしょうね。帰りはエネルギー切れになるんでしょう。食べものに対する熱意は、バカにできません。現実にも、パンを食べに、兵庫から岡山まで出かけた漫画家さんがいらっしゃいます。
 「しかも毎回変わる」 南さん、作詞もいけるのか。きょうびの歌手は、作詞もしないと儲からないらしいですからね。
 「声に出して言いたい日本語」 普通ならオフィスでは口に出せない言葉の数々。ゆるいルールのしりとり。
 「メールがあればどこででも」 辞礼じゃなくて、辞令ですね。やまいだれ的ネタ。福井に支社があるのか、ずいぶんと大きな会社。
 「わかってる店」 いくら白紙でも、2時30分と書くのは、人並み外れた強心臓。帰ってきたの2時50分だし。
 「強制矯正」 3コマ目で、眉を上げている南さんが印象的。
 「いろいろな意味で泣ける」 野鈴くんは、「のべる」くん。もう文章や書類を書くこと自体をやめちゃうのかなあ。切ないなあ。泣けるだけが小説じゃないと思いますが。
 「聞いてしまった」 なるほど、役員のうち、藤田先生っぽい人が専務なんですね。


『こうかふこうか』 佐藤両々
 ホワイトデー。ちょっと動きが小さく小粒な印象。
 「BL進化型」 BL進化論、なんちて。BLの女体化については、阿部川キネコ先生の『辣韮の皮』で仕入れた知識しかありません。


『ベルとふたりで』 伊藤黒介
 「チワワ羅針盤」 タイトルになければ、ネコかイヌかわかりませんでした。
 「衝撃」 不自然な構図と表情、もう一工夫必要だった気が。


『Good Morning ティーチャー』 重野なおき
 「よくわかりません」 「考えたこともないですよう」の、すぐ次のコマで考えさせる。このスピード感とテンポの良さが重野漫画ですね。


『凹日記』 千花
 いやあ、身につまされると言うか。向き不向きはありますからねえ。少なくとも漫画家には向いていたわけだし。


シュレディンガーの妻は元気か』 中島沙帆子
 オフィスでの修平を中心にした回。たまにはこういう回も必要ですね。


『S・Aで会いましょう』 胡桃ちの
 サービスエリアを舞台にしている必然性が、いまいち分からず。
 サービスエリアに、わざわざ行くというシチュエーション自体が、かなり特殊な気がしますし、放課後にサービスエリアでバイトする女子高生は、どんな交通手段を使っているのかとか、上りと下りのどちらのサービスエリアなのかとか、気になる点が多々あります。


『モトリョ』 幌倉さと
 マトリョの存在はオープンなのに、モトリョの存在は秘密なのか。まあ、マトリョのサイズなら、ちょっと変わった女の子、で通らなくもないですが。


『もしもしぐま』 梶原あや
 シュールでドライな雛祭り漫画。伝統的な雛人形と、現代の象徴であるコンビニやファストフード店との対比が新鮮です。