キッド・ピストルズの最低の帰還 - 編集日誌になれません

　山口雅也の連作短編集。パラレルワールドのイギリスを舞台に、マザーグースがらみの事件の謎を解くパンク刑事、キッド・ピストルズとピンク・ベラドンナのシリーズ。
　長い時間をかけて、描き継がれているシリーズなので、単行本ごとにテイストが異なります。黄金期本格の香りがする第一短編集『キッド・ピストルズの冒瀆』は、本当にお勧めです。
　今回の『キッド・ピストルズの最低の帰還』は、ロジカルでありながら、超自然的なものへの多少の傾斜と、マイノリティへの共感が、感じられる作品群です。