今月のまんがくらぶ


まんがくらぶ2008年4月号の感想


『有閑みわさん』 たかの宗美
 4コマ漫画において、主人公がしゃべらないという設定が、どんな意義を持つのか、よくわかりません。代表的な作例は、『有閑みわさん』とか『合金さんちの日常』とか『どりーんあっちゃん』とかですが、キャラクターに独特の味が出ることは否定しませんが、特に漫画の面白さに結びついているとは考えにくく、逆にネタの幅を狭めるデメリットのほうが目立つように思います。
 「WDのお返しは持ってきたのか?」これは、しゃべっているの?ジェスチャーで伝えているの?それともテレパシー?
 情熱弁当、2色カラーでは全くインパクトが無いネタ。4色カラーでやるべきでしたね。
 響イツ子ネタ、みわさんがしゃべらないものだから、一人で空回りするだけの完全なワンパターンになっています。


『天使の事情』 神仙寺瑛
 表紙で太一くんが持っている団子が、あんなに恐ろしいものだったとは。
 「学校行事での飲酒は保護者として相応しくない行為とちゃいます?」正論です。『せんせいになれません』では、学校で飲酒をしている教師までいます。太一ママ、何か言ってやってください。


『うちは寿』 小池恵子
 「ヒロインもてまくり 逆ハーレムうはうは 適度な困難で悲劇にうっとり 締めは私だけ幸せ」…それ、なんて『明日のナージャ』?


『お一人様二つまで!』 内田春菊
 母親が貧乏なのは、裕福な父親の援助を断り、束縛を嫌って結婚をやめたから。つまり自分で選び取った貧乏なわけです。その娘が、あまり幸せそうに見えないのは、かわいそうな気がします。母親の選んだ生き方に、自分の意思とは関係なく、巻き込まれた結果な訳ですから。フィクションなので、もうすこし娘さんを明るく描いて欲しいです。
 最後のネタ、ホステス差別を糾弾しているようで、実はホステス差別を助長しているような気がします。というか、してたことがあるんなら、元ホステスで全く問題ないんじゃん。
 新連載なのに、今回で設定が固まってしまい、今後物語が発展する余地があまりないように感じました。ベテラン作家なので、このような状況をどのように打破していくのか、注目したいと思います。


『そうだ!会社へ行こう!』 そにしけんじ
 今回は、これまでのフォーマットをなぞっただけの薄い内容でした。


『春はぼのぼの ぼのぼの祭り!』
 「ありがたやぼのぼの」 小坂俊史先生が上京できたのは、ぼのぼののおかげでしたか。


『新自虐の詩』 業田良家
 各所で爆弾を破裂させていますが、死亡者が出る可能性もあったと考えると、他の手段が無かったのかな、とも思います。


『せんせいになれません』 小坂俊史
 「せいぜい3つと思ってた」 何日前のか分からないパンでパン粉を作るのはやめてください。最後のコマ、パンの山はトーンの張り忘れですかね。ナイフのところにはトーンカスが。
 「数式の壊れるとき」 一番早く解けた班は、5班でしたね(4巻参照)。久しぶりに登場したのに、後頭部しか出ていない、元レギュラーの田辺順吉くんがかわいそうです。
 「今昔物語」 河田、池田は永遠の新任教師なので、年々若返っています。現在23歳だとすると、12歳のころは1997年。ゲームもプレイステーションの時代になります。やたら時間のかかる単調なゲームの時代は、過ぎていたかと。
 「春なのにおひとりですか」 6年1組の生徒は、いつも池田先生を見ているせいか、先生に対する目がやさしいです。
 「心配するな針は抜いた」 タイトルを読んで安心しました。
 「いとおしいこの50分」 忘れ物クイーンの宮本千賀子ちゃんは、給食残しもクイーンでしたか。
 「2週間前後を予定」 学生時代は48時間連続花見とかあったけど、2週間連続花見はすごいですね。


ゆるめいつ』 saxyun
 「お帰りなさいませ御主人様!」が辛い人が、なぜメイド服なんかを持っているのでしょう。
 「ロック」 年金は払っとけとか言っていますが、年金て20歳からですよね。ゆるめちゃんは、浪人生にして20歳に達してしまったのでしょうか?磯野時空で、永遠の1浪目じゃないのかな?


『おのぼり物語』 カラスヤサトシ
 重い話になってきました。


『いぬ会社』 そにしけんじ
 サラリーマン漫画というより、犬が会社ごっこをしている漫画になってきてしまいました。この作品を単行本化するなら、先に単行本にするべき作品があるだろうと思います。


『ぼんやりとした不安』 ザビエル山田
 典型的な時事ネタを、典型的な時事ネタ漫画のフォーマットに、安易にあてはめただけの平凡な漫画です。ただし、雑誌の終わりのほうに、時事ネタ漫画があるというのは、雑誌のバランスとしては悪くありません。時事ネタ漫画を載せること自体には、意義があると感じます。
 ただし、時事ネタ漫画は、単行本になりにくいので、描き手がいないでしょうね。秋月りすの『どーでもいいけど』でさえも、単行本化されるまでには、紆余曲折がありましたから。やくみつるの低レベルな時事ネタ漫画なんかは、読み捨てにされるだけだし。

どーでもいいけど (バンブー・コミックス)

どーでもいいけど (バンブー・コミックス)