まんがライフMOMO 2016年6月号

まんがライフMOMO 2016年6月号の感想
http://4koma.takeshobo.co.jp/cat05/9137/

『ゴーゴーダイナマイツ』 小池定路

 きちんとフォローに回る兄二人が、なかなかに格好いい。彼らも、あの母親とぶつかりながら、それぞれ育ってきたはず。その経験が生きている感じ。
 親とぶつかって苦しんでいるのは自分だけではない、と気づくことは、青春漫画において、重要なステップになることが多いです。

『メイド手帳』 有井エリス

 最終回のメイドカフェエッセイ。光属性のオタク、という感じで眩しかったです。シャッツキステに幸あれ。

『かみびと太子!』 まさる

 ワイド4コマの方法論としては、視線の横移動を通常の4コマとあまり変えない方法と、コマの端から端まで視線を移動させる方法があります。
 植田まさし先生の『コボちゃん』は前者で、主要なイベントはコマの真ん中で起こり、読んだ印象は普通の幅の4コマとあまり変わりません。
 本作は後者となります。コマの端から端まで自然に読ませるために、コマの右から左に行くまでに、時間の経過なり、イベントなりが生じるように、かなり工夫をしています。ストーリー漫画ならば、左右2コマに分けるような内容を1コマにしていたりもしますね。それによって、作品に密度が生じて、読み応えが高まっています。
 ただし、この方法は、オチのキレを生むには、多少不利となりますので、笑いへの指向に特化した作品にはあまり向きません。ストーリー性を指向した作品には、特に適した手法となります。