まんがタイムオリジナル2016年6月号
まんがタイムオリジナル2016年6月号の感想
『北斎のむすめ。』 松坂
「バラエティ」 高尾太夫が「ずんだもち」と書いているのは、ややブラック。彼女のはるかな先輩、二代目の高尾太夫は、別名を「仙台高尾」。仙台公に身請けをされても、情夫を想ってその意に沿わず、仙台公に斬り殺されたという伝説があります。
『おかん』 小坂俊史
「それは心配だ」 保護者が必要な母。
「平穏とは」 夜勤でなくても、夜にアクセルを踏むタイプ。
「初々しいなあ」 「ドキドキして眠れない夜」という語感だけはいい。
「これでおあいこ」 割としっとりとした1〜2コマ目から、カラッとした後半へ。
「連れ込まれる人々」 娘は「両親がいない」と連れ込むことはしない。しかし、親は「面倒を見る娘がいる」とどんどん連れ込む。
「なにがあったんだ」 表面にあるのは、平穏な玄関先の風景なのに、作品の外側には深い闇が広がっている、という独特の読み味ですね。
「午前3時の大迷惑」 タチの悪い酔っ払いは、時々いるが、タチの悪い店員は、たまにしかいない。
「午前3時の大発見」 夜勤が終わった後も、大森家の生活に、長く影響を残しそうな深夜番組ですね。
「夢の中に」 「夢を語り」「疲れ果てて眠る」という2段オチ。1コマ目で手際よくフリを済ませて、すぐに3コマ目から落としにかかる。
「自由を求めて」 檻から出ても檻の中という、この世界のディストピア性を象徴。
「さんざん見てきたもので」 金を使うこと自体に、快楽を覚えるタイプなのかもしれません。