ビッグコミックオリジナル2015年11月増刊号

ビッグコミックオリジナル2015年11月増刊号の感想
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『まどいのよそじ』 小坂俊史

第12回 ハロウィン
 ハロウィンが苦手で、バツイチで、さえ子さん(?)の友達。
 世界的にも、現在のようなハロウィンの仮装は歴史が浅いようなので、そもそも中高年にとっては、立ち位置の確保が難しいイベントなのかもしれません。子供のつきそい以外の役割は、見つけるのが難しそうで、いい大人がはしゃぐのはみっともない、というイメージ。
 作者自身もハロウィンは苦手とのことですが、『せんせいになれません』の和泉なな子は、よく魔女の帽子をかぶっているイメージがあります。最近は忘れられがちな設定ですが、モグリの保険医ですので、災厄をもたらす毒薬のイメージからかもしれません。
 ちなみに、和泉の魔女帽子シーンは、こんな感じ(まちがいあり)。





 好きではないからこそ、どうして好きでないのかを分析し、どうしたら納得できるかを検討し、達成までのルートを見極め、周到に準備をする。主人公の礼子さんの姿が、漫画家をはじめとするクリエイターたちの姿と重なってきます。自分の納得するところまで、とりあえずは行ってみよう、その先はそこで考えよう、という駆動力。


 なお、以前Twitterにも書きましたが、個人的には、ハロウィンの定着は、七五三の代替ではないかと思っています。
 いつの世も、親には、子供に特別にかわいい格好をさせて、写真を撮りたい欲求があるものです。七五三は、ある程度その欲求を満たしてきましたが、対象年齢がやや低すぎるうえ、着物が高すぎるという問題がありました。
 それに対して、ハロウィンのコスプレは安上がりで、年齢に関わらず楽しめます。だいたいの子供は喜ぶでしょうし、もし嫌なら、やらなくても不都合は生じません。これが七五三だと、子供が嫌だと言ったらもめるでしょう。
 千歳飴の代わりのお菓子もあるし。子供を主役にしたイベントとしては、なかなかに合理性が高いものだと思います。だが渋谷、お前は駄目だ。


 先日の4コマトークで、王嶋環先生がBLになると称していたのは、この作品のことだったのでしょうか。だとしたら、鬼畜やなあと。
 BLというのは、関係性の変化を楽しむエロらしいので、初期の人間関係の配置というのが、男性向けエロよりも、重要な要素になるのだと想像できます。
 この点については、1コマ目のシチュエーションが重要となる4コマ漫画とも、多少は重なるのかもしれません(それでまとめたつもりか?)。