ののちゃん全集8

 朝日新聞朝刊に連載中の『ののちゃん』が単行本になりました。全集の8巻です。
 たまのの市(岡山県玉野市がモデル)の地域性を、ここにきて一気に押し出してきましたね。登場人物の紹介が多岐にわたり、非常に充実しています。
 ただし、そこは、いしいひさいち先生だけに一筋縄ではいきません。基本は小学生漫画ですが、脇を固めるキャラクターが、実に多士済々です。
 菊池食堂の定休日に、ポルトガル歌謡(ファド)のコンサートを行う高校生ロカちゃんと、マネージャーで、わけあり同級生の美乃さんとか、昨今の暴排条例にどう対応しているのか興味がある柴島商会とか、野球部の女子選手島田さんと、思いを寄せる岡田くんとか、ワンマンマンも出てくれば、ざしきわらしも出てきます。さらには、学級新聞の多彩な漫画群。
 思えば『となりの山田くん』を、ジブリが映画にしたとき、高畑勲が映画に盛り込んだのは、原作にはないウエットさであり、それは大変な違和感があったのですが(例えば、まつ子がたやすく泣き崩れるなど)。とにもかくにもその縁が生きて、現在もスタジオジブリが、『ののちゃん』単行本のコンスタントな刊行に、大きく寄与頂いていることには、いしい先生のファンとして、深い感謝の意を表したいと思います。
 ののちゃん発売記念ということで、箱ドットも作りました。
 山田のの子、山田のぼる、山田まつ子、山田たかし、山野しげ。



ののちゃん 8―全集 (GHIBLI COMICS SPECIAL)

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