パコと魔法の絵本
『下妻物語』、『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督の新作。
いじわるじいさんの心変わりの物語。クリスマスキャロルを思わせます。だから、サマークリスマスなのか。
いい意味で、作り物の世界。とことん戯画化されています。ファンタジックな舞台劇のようなセットと芝居。ギャグ満載。多彩なキャラクターが、いちいちユニークです。土屋アンナが好き。そして、3DCGによるファンタジー世界が、実写と渾然一体となって展開されます。
冒頭のオタク部屋が、リアルなオタクネタ満載で楽しかったです。
記憶が1日しか持たない少女は、母親の遺品の飛び出す絵本を、毎日読んでいます。その少女と、いじわるじいさんとのふれ合い。そして…
いじわるじいさん役の役所広司は、バリバリ老人メイク。記憶を失う少女のアヤカは、カナダ人と日本人のハーフ。主役の二人が、国籍不明で、普通の日本人に見えないところが、物語が日本的情緒に流されすぎるのを防いでいます。
舞台劇にあまり抵抗のない人が、泣いたり笑ったりしながら観られる作品として、お勧めします。