エコール・クリオロのエヴォリュション


 チョコレートシーズンを迎えて、贈答用などのチョコレートを選ぶ作業を開始しました。
 ボンボンショコラ(粒チョコレート)のセットにおいては、エコール・クリオロの新作は、常に外せないアイテムとなります。ボンボンショコラのラインナップからセットを選ぶのではなく、セットのためにボンボンショコラを開発しているので、コンセプトが明快で分かりやすく、チョコレートマニア以外にも魅力が伝わりやすい商品です。
 フランス式のボンボンショコラで、外のクーベルチュールの層が薄く、中のガナッシュの口どけが良いという基本に忠実。フレーバーの重ねあわせは2種類までで、誰が食べても分かりやすいのですが、素材の風味の引き出し方などには妥協せず、初心者から上級者までを満足させる仕上がりとなっています。
 セットは、プレーン1個+フルーツ系2個+スパイスやお茶など3個+プラリネ(ナッツ)系2個の8個構成。
 フルーツ系は、ユズとフランボワーズ・シトロンヴェール。いずれも新鮮な酸味のガナッシュ。柚子とチョコレートの組み合わせは、日本でもフランスでも定番になりつつありますが、やはり、日本のメーカーのほうが、新鮮な柚子を使いやすいのでしょう。そのアドバンテージを十分に生かした仕上がりとなっています。フランボワーズ・シトロンヴェールは、ライムとフランボワーズの2層構造。2つの果物を層に分けたことで、個々の味がはっきりとしたままで、両者のハーモニーが味わえます。
 スパイスやお茶などのチョコレートは、キャラメル・アールグレイ、カフェ・ヴァニール、ディミュットの3個。
 キャラメル・アールグレイは、型を使って作ったハートのチョコレート。液状のものを入れられる型の特性を生かして、上に液状キャラメル、下にアールグレイガナッシュという構成。カフェ・ヴァニールは、コーヒー+バニラのガナッシュ。ディミュットは、ネパール産胡椒のガナッシュ。胡椒+チョコレートは、ジャン・ポール・エヴァンなどでも定番の組み合わせですが、相性の良さは鉄板。胡椒の甘さを感じます。
 プラリネ系は、ヘーゼルナッツのプラリネとピーナッツのプラリネの2種類。サクサクとしたシンプルな生地で、ナッツの風味がストレートに伝わります。ナッツの種類による風味のコントラストが鮮やか。
 高級チョコレートでピーナッツを使うのは、比較的珍しいのですが、味の濃厚な千葉県産ピーナッツが入手できる日本では、それをプラリネに使うのは理にかなっています。日本ならではのプラリネと言えるでしょう。スペインのピエモンテにへーゼルナッツがあるように、ニッポンのチバケンにもピーナッツがあるわけです。
 ピーナッツのプラリネは、平べったい形状で、軽快なサクサク感。ピーナッツの味が濃く、塩味もかなり強めなので、厚さがなくても、一口ごとの満足度は下がりません。