今月のまんがライフオリジナル

まんがライフオリジナル2009年11月号の感想。 


おうちがいちばん』 秋月りす
 今回も、2色ページは秋月先生の体調不良により再録とのこと。秋月先生お大事に。前半のキノコ話は、流れがきれいでした。


『店長の憂鬱』 碓井尻尾
 「連想」 いつか、サヨリさんとアオヤギくんの会話を見てみたいものです。アオヤギくん、相当に容赦ないことを言いそうです。


『ベルとふたりで』 伊藤黒介
 高校の文化祭。軽音楽部でトラブル。なにか映画『リンダリンダリンダ』みたいな展開です。すずの才能開花。


『柳川探訪 〜白秋おっかけ記〜』 伊藤黒介
 柳川のレポート。個人的には、柳川は10年前にちょっと行ったことがあります。
 印刷が悪いこともあるけれど、絵にコントラストが足りないような気がします。そのために、風景が心に降りてきません。また、コントラストで勝負をしないであれば、例えば、こうの史代先生くらいの絵の繊細さがないと、なかなか旅情といったものは、伝わりにくいと感じます。
 描き込みの量は尋常ではないですが、もう少しメリハリが必要だったと思います。


『ふたごもんじゃ』 矢直ちなみ
 オーちゃんと鈴ちゃんは、双子のようです。あまり似ていないけど。


『しょっぴんブギ』 佐藤両々
 「快楽主義」 イベント好きのほうが、人生を楽しめるものかもしれませんね。
 「大事なお金」 迷いのない馬場。
 「…なら止めないよ」 馬場の覚悟。
 「考え」 こわい考えになってしまって、涙をぽろぽろ流す。初期の『ぼのぼの』みたいですね。
 「どうしよう」「あの子は」 片思いの子、準レギュラーに。いい人そうだけど、うまくいくのか。


『ばつ×いち』 おーはしるい
 「れきじょ」 由依ちゃんは、史実の長谷川平蔵に興味があるのか、池波正太郎の『鬼平犯科帳』に興味があるのか。後者の場合も、歴女って言うのかなあ。


『遠野モノがたり』 小坂俊史
 新連載。モノローグシリーズ遠野編です。髪を切ったなのかさんと、やさぐれ座敷童子の物語。小坂先生の私生活に、より近い内容になりそうです。
 前作では8人のメインキャラがいたけれど、今作では、現状でのメインキャラは2人。話をまわしていけるのか、ちょっと不安に思うところですが、まずはお手並み拝見。なんなら、座敷童子から派生した妖怪が、山ほど出てくる妖怪漫画にしてくださってもOKです。現代版遠野物語として。
 この連載が始まったということは、小坂先生は、少なくとも単行本1冊分の原稿がたまるまで、遠野に住む覚悟を固めたのかな。
 「窓を開ければ」 髪の毛を切ると随分印象が変わりますね。なのかさんは、イラストレーター歴10年の30歳だったのか。小坂先生よりも、デビューが早くて、若いんですね。
 「はじける三十路女」 『足跡読み』を思わせます。あれを読んだ時は、さすがにそんなことする人はいないんじゃ、と思いましたが、近いことをする人がここにいたんですね。
 「窓を閉めれば」 窓を閉めれば、中野と変わらず、といったところでしょうか。
 「素敵な住宅事情」 車が無くて、東北の冬が越せるのか、不動産屋のおばちゃんじゃなくても、心配になります。しかし、親身になってくれる、いいおばちゃんですね。
 「徒歩12分のすえ」 歩く人が稀なのは、どこの田舎でもそうですね。人づきあいと言えば、アパート住まいでも、町内会とかに入るのかなあ。
 「小さい頃は神様がいて」 遠野まつりレポート。参加団体61による郷土伝統芸能。文化の豊穣を感じますね。子供から青年まで、若い世代がそれに加わっているところも、文化が生きていると思わせます。プログラムは、なんとかしたほうがいいですが。
 「2LDKの片隅で」 やさぐれ座敷童子登場。固定キャラになるのかな。ちょこんとしたいでたちと、がさつな言葉遣いが、かわいいですね。
 「あとまわし」 この連載の中で、「不思議の里」の「扉」を開けていっていただけたら、と思います。


『ひなちゃんが王子!』 山口舞子
 両親と姉の愛情を一身に浴びている様子が伝わってきて、実に微笑ましいですね。


『全力委員長』 のしお
 「スーパーイナズマ弾丸シュート」 なかなかの傑作。動→動→静→動のリズムがいいですし、短い時間の中に凝縮された感じもいいです。オチはベタだけど、スピード感があって、なおかつとぼけた感じもあります。
 「高みへ」 この作品のオチも新鮮。3コマ目からの落差がいいですね。


『野村24時』 板倉梓
 ゲスト。借金を抱えた35歳独身の男が、なぜか3姉妹と同居することになった顛末を描きます。主人公が、だんだん外堀を埋めていかれ、同居生活へと追い込まれていく過程が描かれていて、なかなか新鮮でした。
 こういう女の子いっぱい系の漫画だと、主人公は若い男性というのが基本ですが、この作品は、それが、すすけたおじさんというのが味ですね。甘すぎず、苦すぎず、といったところでしょうか。


『パパLV1』 小笠原朋子
 若い旦那さんの近所付き合い。大事です。
 この夫婦、不器用だけど、ラブラブですね。


『ういういdays』 犬上すくね
 いつか来る誕生日パーティーのためのリハーサル。ということよりなにより、今回は薫子ちゃんの入浴シーンでしょう。なんという理想的なプロポーション。高校生の体じゃないです。


『12月生まれの少年』 施川ユウキ
 「のど飴」 3コマ目で思い切りボケて、4コマ目で思い切り突っ込む。いかにも施川先生らしいリズムです。のどトーストは嫌だ。


『がんばる父さん』 田中しょう
 次回最終回。第252回で終了となります。21年間続いたことになるのか。お疲れ様です。植田フォロワーが、4コマ誌から離れていくなあ。


『ひとねこペネ』 いがらしみきお
 最終回。いがらし先生も、ライオリを去ることになるのかなあ。ナンセンス系ショートギャグの発表の場が、最近では減ってきているような気がします。


『わたしのハテナちゃん』 柘植文
 新連載。最初から、なんともタイムリーかつ微妙なネタを。確かに国民の本音ですが。
 でも、最初のハテナが漠然としすぎていて、有効なリサーチができなくなっています。もちろん、有効なリサーチをすることだけが目的の漫画ではないんでしょうが。
 どのように展開していくのか、今後に期待です。


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