オチケン、ピンチ!!
大倉崇裕の学園落語ミステリー。『オチケン!』の続編にあたります。
学同院大学(モデルは学習院大学ですね)の新入生、越智健一が主人公。
落語の達人、岸先輩と、武道の達人、中村先輩、むりやり入部させられた越智健一の、3人だけの落語研究会が舞台です。
主人公の越智健一が、あまりに報われないので、ちょっと気の毒になります。基本的に、巻き込まれ型のお人よしで、貧乏くじばかり引いているキャラクターです。いつも、単位の危機に見舞われているし。
岸、中村の先輩二人が、スーパーマンなものだから、主人公の情けなさが引き立ちます。主人公も、推理能力と事件解決能力は、卓越したものがあるのですが、先輩二人の推理能力も凄いので、飛びぬけた印象がないんですね。集団探偵ものみたいになって。
謎解きと落語が有機的に結びついているのは高ポイントです。ただ、犯人の動機と行動のバランスは、あまり取れていないかな。
あと、暴走族のバイクとはいえ、ペンキをかけたり、パンクをさせたりするのは、明らかに犯罪行為です。法律的にも道義的にも許されないと思います。
- 作者: 大倉崇裕
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
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