喜楽々の冷やし味噌ラーメン



 東川口のラーメン店、喜楽々の2011年夏の冷やしラーメンは、冷やし醤油ラーメン、冷やし坦々麺、冷やし味噌ラーメンの3品。
 今回食べたのは冷やし味噌ラーメン。スープの粘度がとにかく高く、ドロドロのゲル状です。尋常でない量が麺にまとわりついて、飲むというより食べるスープとなっています。でも、動物系のくどさは皆無。魚介が強く主張するすっきりとした味噌スープです。
 普通、味噌ラーメンのスープのベースは豚骨。味噌に負けない強いスープを作るためには、豚骨や化学調味料は不可欠と言ってもいいほどでしょう。喜楽々やむさし坊では、冬季に味噌ラーメンを出しますが、そのスープのベースは鶏と魚介。ユニークでスッキリとした味なのですが、どうしてもおとなしさというか、欠乏感や物足りなさが残ってしまう場合がありました。化学調味料を使わずに、魚介+味噌で物足りなさを感じさせないラーメンを作ることは、なかなかの難題なのです。
 今回の冷やし味噌ラーメンは、冷やしならではのアプローチとして、スープの粘度を思い切って高めることで、この難題を解決しています。化学調味料を使わず、魚介系和風でも、まったく物足りなさのない濃厚な味噌ラーメン。宮崎名物の冷汁をも思わせる味です。
 スープの粘度が高いのは、同じ喜楽々の冷やし坦々麺と同じテクニックを使ったのかもしれません。冷やし坦々麺では、ジャガイモをすりつぶして、スープの粘度を高めています。冷やし味噌ラーメンのスープの高い粘度も、ジャガイモによるものかもしれません。あるいは、鶏のコラーゲンも寄与しているのか。いずれにせよ、濃厚ながら、豚骨によるドロ系ラーメンとは一線を画す、すっきりとした後口を実現しています。
 上に載る具は、肉味噌、ニンジン、キャベツ、もやし、揚げネギと野菜たっぷり。食感のアクセントが楽しいです。別添えの胡麻をすって加えることで、より和風味が強調されます。
 ラーメンとか、中華とかの枠を飛び越えた、オリジナリティーの高い麺料理になっています。何度でも食べたい味。


住所:埼玉県川口市戸塚2−24−4
営業時間:11:30〜翌1:00
定休日:毎月第3火曜日(祭日の場合は翌日に振替)


麺匠 喜楽々

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