まんがライフ2016年7月号
まんがライフ2016年7月号の感想
『紡木さん家の事情』 碓井尻尾
「それはそれ」 騒ぎをよそに、きちんと水分補給をしている菊池さんの有能さ。
『白衣さんとロボ』 柴
113ページ右 左下は「よそいき」でしょうか。
114ページ左 4コマ目、ロボの顔と視線をいっしょに描くことで、「目が届かない」に、強いビジュアル的説得力が加わっています。
115ページ左 「にそう」と打ってみたが、なかなか「二槽」には変換されませんでした。古い言葉になってしまったので、若い編集者が、「二槽」を「二層」と思ってしまうのも無理はないのかもしれません。
116ページ右 4コマ漫画においては、無言もひとつのリアクション。しかし、アンテナが曲がるというリアクションは珍しい(なぜならアンテナ自体が珍しいから)。白衣さんの歪みが電波のように伝播。アンテナだけに。
117ページ右
117ページ左 2コマ目、なんという相思相愛。
118ページ右 4コマ漫画で、左右のカメラの切り替えはよくあるけれど、上下のカメラの切り替えは珍しい。しかも、効果的ですね。
[漫画]ナノレンジャー 渡辺伊織
最終回。
最近では珍しい男子主人公の青春4コマとして、成果を残したと思います。しかし、同時に、このジャンルの漫画に伴う困難についても考えさせられました。
例えば、女子高校生が楽しい毎日を送っていくだけの漫画があるとして、その漫画は、日常マンガとしても、青春漫画としても成立する可能性があります。
一方、男子高校生が楽しい毎日を送っていくだけの漫画があるとしたら、その漫画は日常マンガにはなりますが、青春漫画としては成立しにくいように思うのです。
女子高校生には、ある種の賢さがありますから、日常の小さな出来事を足掛かりに、人間として成長していくことができます。
それに対して、男子高校生は、一般に女子よりはバカで鈍感なので、もっと痛い目に遭わないと、なかなか人間として成長していかない。男子高校生の成長を描く漫画では、大きな事件や困難にぶつかっていくほうが、料理はしやすいのだろうと思います。
もちろん、あえてそうしない漫画には、そうしないことによるメリットは生じるわけですが、執筆の苦労は増すのだろうと想像します。
なお、もっと年下の男の子であれば、日常の中の成長を漫画にすることは比較的容易になります。『ぼのぼの』なども、それに当たるのかもしれません。