ビッグコミックオリジナル2015年2月5日号

ビッグコミックオリジナル2015年2月5日号の感想

風の大地』 坂田信弘 かざま鋭二

 7年前と、やっていることの違いが、よく理解できず。何が目的のブランクだったんだろう。

どうらく息子』 尾瀬あきら

 落語で名前はよく出る「のり屋の婆さん」って、海苔屋じゃなくて、糊屋だったのか。

『黄昏流星群』 弘兼憲史

 200ページの眼を疑うアクションシーン。古典芸能。

『まどいのよそじ』 小坂俊史

特別編5 タバコ
 非モテをこじらせて、反骨を気取るというのは、思春期においてはよくあること。そして、それを中年まで引きずってしまうというのも、実はよくあること。なんというか、主人公は、良く言えば素直な性格、悪く言えば経験値の足りない性格なのでしょう。
 反骨を生き方として貫くというのは、なかなか骨の折れることです。企業には就職せずに、食い扶持を得ていこうとすれば、なかなかにエネルギーもいります。ただし、表向きは社会に順応しながら、内心で反骨を気取るというのであれば、これほど楽なことはありません。多くが得られる見込みのない人生を、別にそれでいいさとあきらめる口実として、反骨精神を気取るのは、非常に使い勝手のいい方法です。
 本作で、行き場を失った人たちが仕方なく集まる場所を、バスケットコートに改装してしまう、というのは、なにか渋谷区が似たようなことをしていた記憶がありますね。
 健康バカの社長と、喫煙者とのせめぎ合いのパワーゲームが、喫煙者シンパの非喫煙者を翻弄した結果、なぜかモテ期へと導いていくという運命の不思議。
 40歳にして初めて覚えた煙草の味は、40歳にして初めて覚えた恋愛の味なのかもしれません。
 「喫煙室が閉鎖されると、白鳥徹也が結婚する」という今回のストーリーには、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な味わいがあります。