午前零時のサンドリヨン


午前零時のサンドリヨン

午前零時のサンドリヨン


 相沢沙呼の連作短編ミステリ。学園の謎をマジシャンの女子高生(一筋縄ではいかない)が解く鮎川哲也賞受賞作。
 「ハリーポッター」をハリボテの城と言ってしまったことに、「ハリボテのミステリ、ハリボテの青春小説は書かないぞ」という気概のようなものが見えます。
 主人公が正直アホすぎるきらいはありますが、その対比として、女の子たちの切実さのようなものが活写されていると思います。
 マジックのネタとミステリとの関係性は鮮やかですが、当然ながらマジックのほうのネタばらしはご法度なので、その点ではややフラストレーションがたまります。しかし、それがマナーなのでやむなし。