今月のまんがライフMOMO

まんがライフMOMO 2013年3月号の感想


http://4koma.takeshobo.co.jp/cat05/4434/


森田さんは無口』 佐野妙
 パンヤ4コマ。でも藤島じゅんではない。


『青春甘辛煮』 碓井尻尾
 「どうしよう」 なぜ胸をはだける。そして、はだけた姿を想像したぶんだけダメージ倍増。
 「ぶん殴られました」 タイトルは、近藤が土方にの意味ですね。
 「人として」 おっぱい星人のハチは、山南さんには反応しなかったのか。
 「違うタイプのドS」 清楚で可憐でド変態。


『はなめん』 宇島葉
 「今日の代金は」と言っているから、その日に面接したのでしょう。それにしても、とんこつ大+煮卵を完食した帰りにおなかが鳴るとは、たいした大食い。
 ブラジャーが! 更衣室に店長が! 3人とも女性だったのか。女の子3人、ひらがな4文字タイトル、ひょっとしてこの作品、萌え四コマだったのか?


『崖っぷち天使マジカルハンナちゃん』 佐藤両々
 「魔女っ子コスと似たようなものだし」 現実だったら、30歳の魔女っ子は、多分ある程度視線を集めます。そして、45歳のヘソ出しアイドル姿は、みんなが少しだけ視線を逸らせます。


『ポヨポヨ観察日記』 樹るう
 節分が終わった後も、すべて豆ネタで構成された凝ったつくり。
 大豆チョコは、グリコがおととし製品化しています。こちら。でも知られていないってことは、売れていないみたい。


『イヴ愛してる』 伊藤黒介
 酔狂なキャラによる酔狂なふるまいをエンターテインメントにするには、酔狂なりの切実さのようなものが要るのです。人助けにあまり興味がないのに、悪魔退治という酔狂をわざわざするだけの理由付けが、物語を進めるための予定調和だけだとしたら、作品は空しいものになります。


『わびれものゴージャス』 小坂俊史
 例えば、人妻から願掛けスポットめぐりに誘われたのに、ひとり縁切りスポットに旅立ってしまう酔狂。例えば、東京なら十条に縁切り榎とか有名なスポットがあるのに、京都と福岡にまで行ってしまう酔狂。そして、縁切りスポットのブラック絵馬レポートというネガティブの極みをしてしまう酔狂。そこには、マイナーなものにどうしようもなく惹かれてしまう作者のカルマの切実さが感じられるのです。
 商業作品ですから、マイナーでネガティブなものを、マイナーにネガティブに紹介しただけでは商売になりません。そこはエンターテインメント仕立てに。しかしながら、パワースポット巡りなどというポジティブな流行には、決して流されない健全さのようなものは確保しつつ。
 「唾を吐き捨てる佐藤両々」。貴重なショット。
 縁切りスポットのブラック絵馬漁りという、不道徳かつ下世話で、でも読者の要望はおそらく最も多いネタに行く前に、ワンクッション、ラブホテルをはさむという三角跳びのようなテクニックを使うことで、どぎつさが中和され、むしろ上品な仕上がりになっています。「載っけたらあかん」と言いながら載っけるというはなれわざにも中和のテクニックが。
 それにしても、縁切りを商売にする神社も下世話なら、石くぐりでパンチラを狙うカメラ爺さんも、ふさわしく下世話ですね。
 京都の次は福岡、この調子で最終回にはどこに行くのだろう。福岡のほうは商売気の薄い、自然発生的縁切りスポット。とはいえ、手間をかけて、それが維持されてきたということは、それなりの必然性はあったのでしょう。
 男47才と女31才の縁切り絵馬に、どうしようもなく不倫の匂いを感じてしまう私も、どうしようもなく悪趣味。
 そういえば十条の縁切り榎も、樹皮が縁切りに効果があると、皮が剥がされた歴史があるようです。