今月のまんがタイムオリジナル

まんがタイムオリジナル2012年11月号の感想


http://www.manga-time.com/link/data/magazine_09.html


ラディカル・ホスピタル』 ひらのあゆ
 「おいしい仲間」 4コマ誌の4色カラーにおける表現力の限界に挑戦した作品。主に印刷の分野の。


らいか・デイズ』 むんこ
 まんがホームを読み逃していて、この高校生キャラが分からない。でも、今回を読んだだけで、どんなやつかがすぐわかるのは、むんこ先生の構成力。
 「フレンズ」 × 受診メール→ ○ 受信メール。しかし、医者からの受診メールが「がんばれ」だけだったら、本当にイヤだなあ。頼りになるのは精神力だけ。


『満開!シスターズ』 東屋めめ
 東屋先生得意の勘違いシチュエーション。
 絶対にエロ禁止のエロゲ空間に耐える、たけしの禁欲力の高さ。


『小森さんは断れない』 クール教信者
 なんとなくだけど、作者が映画『桐島、部活やめるってよ』を観たんじゃないかと思わせる一本。あの映画、映画部魂と吹奏楽部魂とバレー部魂と野球部魂と帰宅部魂に火をつけるので。


『トリセツなカテキョ』 山東ユカ
 なんと生徒会長が正式参戦。恋のライバルの当人同士に恋愛の自覚がないのはやっかい。とは言え、井原先輩と春吉の関係がワンステップ上がるまで待っての告白はフェアプレー。


『社外秘神田さん』 大乃元初奈
 今年の9月に連休2つは無いです。それともこの会社が、日月と休みなのか。
 日本にゾンビが出現するとしたら、その前に、火葬されない死体が沢山ある状態が必要なわけで。そんなものが発生するような大惨事は、それだけで十分に怖いし。


わさんぼん』 佐藤両々
 まんがタイムからのゲスト。
 ストーリー4コマが佳境に差し掛かったところでのゲスト原稿。ストーリーを進めるわけにはいかないし、全く本筋と関係ない話を描くわけにもいかないし、難しいところだったと思いますが、いいサブストーリーになっています。本編を読んでいる人にも、的確な補助線になったのではないでしょうか。真面目な青春。
 前から思っていましたが、草太と萩くんが会話していると、画面が白いなあ。


『おかん』 小坂俊史
 「さっき思いつきました」 先月、家族旅行+αが台風で流れたリベンジ。舞台移動はOKという作品ルールだったようです。長期的かつ計画的な視点から、一夜漬けかつ行き当たりばったりな家族旅行へ。
 「余裕あるなあ」 1〜2コマ目でツッコミ役に徹するサツキがかわいい。ボケ、ツッコミ、ボケ、ツッコミ、ボケ、ボケ、ツッコミという応酬が盛り沢山の作品。在りあわせの材料で矢を作るのではなく、正式なダーツの矢を買ってくるという方針が、今後の伏線に。
 「まずはフォームから」 1コマ目と2コマ目の間に相当な時間経過が。最近の小坂作品は、コマ間に時間経過が隠された作品が多く、それが作品の厚みになっています。おお、硫黄島。ちょうど映画『硫黄島からの手紙』を観たばかりだったので、シンクロニシティを感じました。あそこは、今は米軍と自衛隊の管理下にあるので、民間人は行けない。
 「思う壺」 1コマ目の穴が、水木しげる漫画の点描のよう。ジュンは目にクマが。意外に努力家の一面を見ました。塗眉温泉は「ぬるま湯」温泉ですね。ラストでギリギリと歯噛みするサツキもかわいい。
 「ラストドライブ」 おかんはかつてどんな運転をしたのか。ジュンとサツキには一体どんなトラウマが。『あずまんが大王』のちよちゃんを思い出します。4コマ目のおかん「あら好都合じゃない」が実にブラック。でも、自分たちの命だけじゃなく、他人の命も心配するあたり、いい子たちです。そして、3コマ目のおねえさんがひそかにかわいい。
 「開ける場所もありゃしない」 立ちっぱなし旅行は疲れたでしょう。1コマ目でジュンが出しているのが歯じゃなくて舌。2コマ目の「まんじゅう」が今後の伏線に。
 「バカ合戦」 タイトルが秀逸。4コマ目のサツキと、1本前の1コマ目のおかんが、呼応した画面になっています。
 「勤労学生の休日」 お土産を買わない状態で、素泊まりがギリギリの残金。2本前でお土産を買っていたら、1本前のバカ親子と全く同じになっていました。
 「あの2日は無駄じゃなかった」 2コマ目のサツキ「ジュンまで連れてくの」という台詞、自分が働くことには抵抗がないんだ。いい娘だなあ。しかし、なぜ温泉地にダーツバーが。しかも、ちょっと小粋な。のび太の射撃的な、ジュンの才能開花。2コマ目の昼と4コマ目の夜の対比が効果的。
 「まんじゅうだらけ」 1本前で『ドラえもん』を思い出していると、このタイトルから、バイバインのくりまんじゅうを連想します。今回影が薄いけど、一応は父親ネタ。
 「満足なんてしてないよ」 2コマ目の「ジュンも満足」が伏線で世界に。スピンオフでダーツ勝負漫画が描けそうです。炎のコマとか使う系の。


『ハルコの晴れの日』 星里もちる
 最終回。小学館系の王道ラブコメを思わせる告白ドミノ。


『うわさのユーレイちゃん』 平井ケンジロウ
 最終回。「うわさの」というタイトルのわりには、あまり噂になっていなかったと思いましたが、これから先、文化祭幽霊として噂になっていくのでしょう。
 冥土カフェは、『あずまんが大王』のぬいぐるみカフェ的な逆転ホームラン。ユーレイちゃんは、ちよちゃんポジション。最後は爽やかな心霊写真。


『かがやけ!工学女子』 酒菜屋なかさ
 ガラスとダイヤモンドにシンクロニシティを感じました。何と感じたかは秘密。


『先生のたまご』 みなづき忍
 修学旅行で大阪へ。4コマ誌は今、大阪ブームなのか。今月と来月のライオリの柘植文先生、今月のMOMOの山東ユカ先生も大阪です。よんこま小町9かいめも、10月21日にありますし。
 大阪までの新幹線は、乗り遅れても10分後には次のが出るから。


『ものづくれ!アプリ開発部』 かすてら
 エクスチェンジャーでアプリ開発をしていたゲボキューの退場を受けて、アプリ開発をする高校生の登場。答案丸わかりアプリはともかく、高校の定期試験における過去問のデータベースは、売り出せば商売になりそう。確実に学力アップにつながるから、教育的見地からも禁止はできないし。無料にせよとは言われるかもですが。


『ぎんぶら』 安堂友子
 「そのまんま」 その地球人は日本人か中国人だ。
 「あまたの いのち すいし いただき」 登山ならぬ歩山に27時間。直角に登り、時速4kmで不眠不休だったとして、山の高度は108km。エベレストの12倍。ちなみに地球の国際宇宙ステーションの高度は350km。