トーキョープリズン
柳広司の長編推理小説。
敗戦後の巣鴨プリズンを主要な舞台にした歴史ミステリーです。ニュージーランド人の私立探偵フェアフィールドと、捕虜虐殺の容疑で収監されているキジマが、プリズン内の毒殺事件の謎、キジマ自身の戦犯容疑の謎に挑みます。キジマは、神のごとき名探偵ですが、戦時中の記憶を失っています。
内容は、やや詰め込みすぎの観があり、展開にご都合主義的な部分も多少ありますが、重いテーマに十分に向き合っています。キジマがストレートに謎を解くわけではなくて、終盤には、ツイストの効いた展開が待っています。このあたりの読み応えは、さすがです。
エドワード・フェアフィールド(E・F氏)の手記に基づく小説、という体裁をとっているところも、柳広司らしいですね。
- 作者: 柳広司
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/01/24
- メディア: 文庫
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