ビッグコミックオリジナル2015年8月20日号

ビッグコミックオリジナル2015年8月20日号

『まどいのよそじ』　小坂俊史

特別編7　心霊写真
　今年の夏は、例年になく怪談系のイベント数が多いのだとか。「恐れる体験」は、確かに人間にとって必要なのでしょう。私自身は、「心霊写真」よりも、「心霊写真を簡単に信じ込んじゃう子」のほうが怖い、という嫌な子供でしたが。
　どちらも小岩（おいわ）さんですが、母は玲子、娘はひかり、という方向性の異なるネーミング。
　愛ゆえにマイナスの方向に暴走する母の姿は、『月刊すてきな終活』の余命の女のよう。一方、無邪気で明るい娘の姿は、なるほどスカウトされても不思議はない。
　しかし、「有象無象」モデル事務所の「デルモ」代表とは、なかなかの胡散臭さ。
　なお、ティーンエイジのモデル業界に絡んだ小説としては、大崎梢先生の『プリティが多すぎる』がおすすめです。

プリティが多すぎる (文春文庫 お 58-2)