ビッグコミックオリジナル2015年1月増刊号

ビッグコミックオリジナル2015年1月増刊号の感想
http://big-3.jp/bigoriginal/zoukan/

『アブラカタブラ 〜猟奇犯罪特捜室〜』 リチャード・ウー 芳崎せいむ

 ずいぶん回収までに時間のかかりそうな展開になってきたなあ。

『まどいのよそじ』 小坂俊史

第7回 女装趣味
 先ほどの記事で、高校生の女装にはリリカルなものを感じる、と書きましたが、32歳から部屋での女装を趣味として7年間というのは、相当に孤独をこじらせている印象があります。決して他人がクローゼットを開けない生活を、7年間も続けてきたという意味で。
 自分のジェンダーは、他者との関わりのなかで自覚が強まっていくもの。プライベートでは、ほとんど他人に関わらないのであれば、少なくともプライベートにおいて、自分が男であるか女であるかということは、あまり意味を持ちません。
 そのような生活を長く続けていくと、強く他者と関わりたいと思ったときに、モラトリアムの大学生のように、アイデンティティに迷うことになります。
 中年だから、青年のようにはもう惑わない、ということはありません。中年だからこそ、あいまいなまま先延ばしにしてしまった時間が長かったからこそ、いっそう惑うのです。
 なお、同性愛については、性同一性と同性愛、異性愛とを整理して考える必要があって、結構複雑です。
 例えば、自分の体は男である→自分の心も男である→自分は同性愛者である→だから男が好き、というルートと、自分の体は男である→自分の心は女である→自分は異性愛者である→だから男が好き、というルートは分けて考えなくてはならないのです。
 こう書くとくっきりと分かれているようですが、性同一性にも同性愛にも様々なグラデーションがあり、個人の心の中にも、うまく説明できない部分が当然あって、簡単に整理することはなかなか困難です。
 それにしても、小坂先生、今回取材とかしたのかなあ。渡辺伊織先生に話を聞いたりして。
 12月20日発売のビッグコミックオリジナル本誌 1月5日号にも、『まどいのよそじ』掲載とのことです。

『新入社員浜崎伝助』 やまさき十三 北見けんいち

 こういう漫画って、必要なんだろうか。