ビッグコミックオリジナル2014年5月増刊号
ビッグコミックオリジナル2014年5月増刊号の感想
『まどいのよそじ』 小坂俊史
第3回 実家
『まどいのよそじ』なのに『これでおわりです。』なコマが。
小坂漫画に子持ちのキャラは珍しい。遠野に移住した経験を持つ作者が語る一人暮らしの魅力には説得力あり。
4ページ、6ページ、8ページの大ゴマの雄弁さ。4ページ目の解放感は、ちょっと藤子・F・不二雄の短編作品に出てきそうなテイスト。しかし、ここから「すこしふしぎ」には行かず、「現実」を叩き付けられます。些細なことだが致命的。
ひとしきり不倫を妄想した後、小便でクールダウンするのも、棒の用途的に非常に正しい。回想コマで、自分と相手の住宅事情を会話しているという周到な伏線。
藤子と言えば、モノローグで締めるブラックなオチも、『ミノタウロスの皿』的かも。