今月のまんがくらぶオリジナル
まんがくらぶオリジナル2013年3月号の感想
『うちの姉様』 野広実由
日本には古来より八咫烏(ヤタガラス)という神鳥がいて…。サッカー日本代表も3本足の鳥です。気にするな。
美術館の絵がストレートに単純すぎ。もう少しリアリティがあっても良かったかと思います。
『うしろのご先祖さま』 勇人
いたずら会社員は、かつては4コマの華だったのですが、今のご時世、オフィスでやりたい放題が許されるのは、石器時代の先祖の霊くらいになってしまったのかもしれません(植田まさし先生を揶揄するつもりは皆無です)。
そしてやっぱりこのネタを思い出しますね。
『ほし★でん』 みづしま亜留
冒頭の4コマで、まさかの夢オチ! 禁じ手というわけではないですが、どうせやるなら、もっと効果的に使えた気もします。
読み切りの作品でキャラクター4人は多すぎ。真に4姉妹を印象づけるためには、『かしましハウス』なみのメリハリが必要です。たぶん続かないからいいけど、続けるつもりならば乗客にも個性を。
『つくねちゃん+30』 ひらふみ
豆まき→ピーナツ→千葉式→千葉の呪いという流れが美しい。
「いい年こいて」と言っていますが、リアルタイムの『うる星やつら』ファンは、都さん(30)と結婚したら、犯罪者、ロリコンと謗られるほどの年齢になっています。
『はるまち・ダンス』 佐藤両々
タイトルバックは社交ダンス中?
「渡したい」 3コマ目、女子の戯れ。4コマ目、女子の本気。
「あれ!」 4コマ目の「!」が伏線になっていたのですね。
フィクションならではのあたたかい風景。
『私のデビュー物語』
「松本ぷりっつ」 『すくパラ』で仕事しているから担当はホッシーなんだ、ということが分かるほどには竹書房マニア。
「こいずみまり」 ミンキーモモ。妙に80年代っぽい今月のくらオリ。
「小坂俊史」 準月刊賞をとったからって上京してしまうファンキーな青年は、最近は少なくなったようです。デジタル化で地方でも漫画家ができるからなあ。締め切り直前の小坂先生の瞬発力は、今もコミティアなどで健在。前日深夜から作業開始してあのクオリティは本当に信じられません。アマチュアは真似しちゃダメ。ベテラン編集者、坂本さん、鈴木さんも、当時は若手だったんだろうなあ。
『まちこう』 浦池コナツ
おしゃれブティックで「サイズがない」と言われるのもショックかも。それとも、背が小さい場合にはお直しがきくものなのかな。
『ラジ娘のひみつ』 小坂俊史
声をやられたあいりさん。ほぼ「声が怖い」の単一オチで、連載1回分をカバーした野心作となりました。
「ハイ そうします」 素直に行動されて、それがオチになるという珍しい例。
「レベルがあがった!!」 4コマ目のディレクター、マネージャー、放送作家の3ショットが、エヴァンゲリオンが暴走しているときの司令室を思わせます。事態の悪化に手をこまねいている無能感も含めて。
「まさかの演技力」 あいりを起用すれば、ボイスだけで、映像に金をかけずにガクブルもののホラー映画が撮れる。
「これは長引くぞ」 「声が怖い」状態を長引かせるために、途中にこの一本をはさむ必然性があるわけですね。
「ティーンには酷だった」 タカ子、ハト子、トキ子のユニット、やみくもに好感度が高いのですが。性格良さそうで、かわいい。また登場してほしい。
「ちょっとのつもりが」 ワールドワイドな地球資源問題が、おバカなオチになりました。ヘリウム資源も貴重なんですね。希ガスなだけに。そして、スタッフはヘリウムで「希ガス」むまで遊んでしまったと。
「パの字もなかった」 機械音でパフュームか詐欺師か。答えは予想されていました。
「この変態どもめ」 タイトルにバックベアードを連想しました。変態構成作家に変態呼ばわりされる超ド級Mリスナーたち。ちなみに超ド級とは、もともとは1906年に進水したイギリス海軍のドレッドノートの規模(弩級戦艦)を超える規模のこと。
「なぜこんな薬を」 薬は松戸製薬(やまいだれ)製? 3コマ目の「なぜ…」がダブルミーニング。コストとリスクの無駄遣い。
「物理的伝達」 メールでは伝わらす、はがきでしか伝わらないもの、なーんだ? 答え:ノロウィルス。 ひでえ。ノロウィルスは4℃の条件だと60日間生存するというデータもあるそうです。郵便物が集まる場所には、マジで生物テロ攻撃ができますね。3コマ目で青ざめているのが、ウィルスのキャリアだったんでしょう。そして、2コマ目で、この原稿の執筆時期に疑念が。藤島じゅん先生が「はちみつ飴15箱購入」とtweet(こちら)したのが、1月13日の13:08、そしてこの雑誌の発売日が1月22日。何故「はちみつの飴」の記述が可能だったのか? 超人的な予知能力のなせる業か、超人的なしめきり遅れ能力のなせる業か。
「そしてふりだしへ」 祝祭の雰囲気がたまらない。そして、「ちょっとのつもりが」と天丼のオチ。
『ベルとふたりで』 伊藤黒介
ストーカーのキヨミちゃんが美人すぎる。別作品の天使と同レベルの美貌。ちょっとリョーマがおののく必然性がわからない。とはいえ、不美人がストーカーするネタは、いじめにもつながりますので、自粛したいところでしょう。バランスが難しいなあ。
『ボク恋コンダクター』 坂巻あきむ
ラッキースケベが好きな人は、アニメ映画『ねらわれた学園』を観るといいでしょう。女子中学生がとにかくエロい。実写映画『ねらわれた学園』のほうは、出来の悪さをあえて楽しむくらいしか、楽しみようがないですが。
『新人4コマ杯』
竹書房の新人賞応募の1発目に、『コボちゃん』ネタを仕込む新人。ご存知かと思いますが、『新コボちゃん』の単行本を出しているのはライバルの芳文社のほうです。知らないということは強い。フォローする編集は大変だけど。
『ヒナ書房へ行こう』 都波みなと
乾燥する季節の紙キズ対策。
「どうでもいい事」 海綿というのは海綿生物から作った天然のスポンジですが、この手を湿す用途の場合、人工的なスポンジは1日で乾いてしまうのに対し、天然の海綿は3日間も湿った状態をキープするのだそうです。それだけ手入れが楽だと。技術開発の時代にも、天然もののアドバンテージってあるものですね。
『みもりろっくおん!』 みずなともみ
最終回。連載が進むとともに、病的なストーカーから、ちょっと内気な片思いに。とんがる漫画も悪くないけど、社会と折り合いをつけていく漫画も、心和んでいいものですね。
『ジッパー彼氏』 春夏アキト
「彼氏」という設定があまり生きていない感じ。そして読み切り作品ならば、ジッパーの中身にも、可能性を提示しておく程度のサービスは必要かも。
『ピンクそらりんご』 みずしな孝之
第一部完。最後のほう、建物描くのが本格的にめんどくさくなった模様です。これほどやる気のない原稿を商業誌で読めるのは貴重な機会。いくら実績があっても、そう何度もは許されないでしょう。
「総意で」 連載打ち切り回の1本目に断捨離ネタをもってくる自虐趣味。面白くない漫画は、雑誌から捨ててしまえ。
「あこがれの先生」 著者献本を捨てると言っても、作家にダメージは与えられません。「みずしな孝之先生の新刊が発売されたら、必ず即座にスキャンして、無料ダウンロードサイトに無期限アップしますからねー。URLは…。無料ですのでみなさんお気軽に。お友達にも知らせてね。」とか書くと、たぶん血涙を流します。
『園児様のゆーとおりっ』 ミキマキ
女性恐怖症は、出オチなので、今後の展開が気がかり。触っても鼻血を吹かない場合もある女子力の低いゆき先生と対比するために、触ると必ず鼻血をふく女子力の高い大人の女性キャラを配置するのが効果的かもしれません。
『病んカノ』 唐草ミチル
ストーリーラインが荒い。
『のぶながちゃん公記』 くりきまる
1459年、竹丸編終了。次は生駒吉乃編か。
『もしもしぐま』 梶原あや
今月号の雑誌表紙でショックだったのが、右下のぐまちゃんの色。まっ茶色! しばいぬ子さんくらいの色だと思っていました。
『さかな&ねこ』 森井ケンシロウ
「そうじ」 4コマ目から1コマ目への無限ループ。増えていくのは箒の数。
『ヲタママ』 葛西りいち
目のないキャラに目が出来た。おめでたい話でございます(落語:景清)。