カラフル

 森絵都の長編ジュブナイル小説
河童のクゥと夏休み』の原恵一監督で、来年アニメ映画化されると聞いて、読んでみました。記事はこちら。
 罪を犯した魂が、自殺した中学生に乗り移って、ホームステイをするという話で、あらすじだけ聞くと、暗そうですが、読み口は軽く、ユーモアがあって、さっぱりしています。
 さえない中学生、小林真のさえない日常を描きながら、きちんと生きることの素晴らしさが伝わってくる傑作です。10年以上前の作品ですが、全く古びていません。登場する中学生や家族たちが、それぞれ、不器用ながらも輝いているところが、好感を持って受け止められました。
 地味で堅実な日常を、ドラマに昇華する腕は確かな原監督ですから、来年の映画も期待できそうです。


カラフル

カラフル