今月のまんがライフオリジナル

 まんがライフオリジナル2009年2月号の感想


 4コマ誌と言えば季節ネタ。そして、2月号といえば、節分とバレンタインです。数えてみたところ、全32作品中、節分を扱っているのが8作品、バレンタインが13作品もありました。いまどき、節分の漫画が、こんなに読めるのは、4コマ誌ぐらいでしょうね。


おうちがいちばん』 秋月りす
 バレンタインネタ、つぐみとお姑さんたちの小旅行、帰ってから母のカゼのお見舞い、と盛りだくさんです。
 「最強アラーム」 トキヒコくん、役者です。
 「姉も妹も」 「分けてやらんっ」のひばりさんが可愛いです。
 「課長の見方」 嫁姑関係もさまざまです。
 「その道の達人」 カニ食べながらハイスピードでおしゃべり。「人間技じゃないです」「ちょっと妖怪入ってくるからねー」 すごいやりとりです。
 「カニと教育」 子供時代のタカヒコさんに、カニカマを本物のカニだと思わせていたお姑さん。これとは逆に、本物のカニ肉100%を、カニカマだと思いこませようとした、吉田戦車先生の『甘えんじゃねえよ!』に出てくる、みっちゃんの母を思い出しました。
 「デスノート!?」 タイトルにびっくり。デスノートだったら大変です。


『動物のおしゃべり』 神仙寺瑛
 「つかいまわし」 バレンタインチョコを自作する幼稚園児、利発です。
 「俺 悪役!? 」 3コマ目の背景のポスターが、気になります。


『ご契約ください!』 東屋めめ
 まじないチョコには、どんなまじないがかかっているんでしょう。
 管理人さんの「松野さん、現実に戻ってきてください」のツッコミが的確です。
 社長の似顔絵お菓子は、全部吉田さんの手作りですか。大変だ。


『ちいちゃんのおしながき』 大井昌和
 煎り豆も、柔らかくして、料理に使えるんですね。知らなかった。うまく戻るのかなあ。


『店長の憂鬱』 碓井尻尾
 「如月」 回転寿司でも、節分の太巻きを作るところがあるんですか。手間がかかって大変でしょうに。
 「技」「ハトと豆」 博愛主義者、鮫島さん。
 「カニ物語」 「ありえない事すんなー」のツッコミが的確です。
 「ハンドメイド少女」 ウォッカって、スピリタスでも入れたんでしょうか。アユカワさんは、手加減を知らないからなあ。
 「宿」 チョコ一粒で大惨事。原チャリ運転を避ける店長さん、賢明です。でも哀れ。


『クロジとマーブル』 富永ゆかり
 ねこは、コタツで、むしろのびる。そうなのか。
 ねこ心が分かる大家さん、素敵です。


『合金さんちの日常』 松田円
 「ハチの巣だぜ」 3コマ目、横山光輝先生『闇の土鬼』の霞つぶてですね。


『貴美TALLEST』 美月李予
 「やってみたかった」 最後の「パ゜ッ」の誤字に笑いました。カタカナの誤字は珍しいです。編集さんチェックしましょうよ。


『ベルとふたりで』 伊藤黒介
 犬ダメねえちゃんと手作りチョコ。ああ、弓子さんというお名前でしたか。
 「件の標的あらわる」 いまどき、目に横線、口に星って表情は、おかしいですから。知っていて、やっているんでしょうけど。すでに、お前よばわりされているってことは、多少脈ありなのかな?
 「彼女の特技」 犬の形は嫌いじゃないんだ? まあ犬好きの相手に贈るものだしね。


『しょっぴんブギ』 佐藤両々
 タイトルバックの定もっちゃんがたまりません。
 「馬場は以前カカオを配った」 カカオ豆を個人輸入して配った馬場さんも変人ですが、律儀にカカオ豆からチョコレートを作った定もっちゃんも、相当の変人です。
 「壊れた」 カカオ豆からのチョコレートの作り方は、こちらのページが詳しいです。これは大変そうだ。途中で、すり鉢に替えないと、フードプロセッサーのモーターが焼き付くそうです。
 「よく考えて」 フードプロセッサーは、二万二千八百円なのか? 一万二千八百円なのか? 正解は、佐藤両々先生の(旦那さんの)公式ブログ、両々王国に。こちら。


『シェアハウス・デイジー』 小笠原朋子
 れんげさん、スミレさんに、あやめさんが加わってのシェアハウス物語。続きが読みたいので、ぜひとも連載をお願いします。
 あやめさんは、コミュニケーションがちょっと苦手。タイプは違うけれど、『あしたも嵐』の嵐ちゃんを思い出させます。
 強気なキャラの、れんげさんとスミレさん、年齢以外の二人のキャラの違いは、まだ明確じゃないかな。


『全力委員長』 のしお
 「セオリー無視」 3コマ目までは、実に施川ユウキっぽいです。


『なごみクラブ』 遠藤淑子
 連載1回目から、ちょっと反則技っぽい展開です。
 2〜3ページ目、なんとなく芸人がヒロシっぽいと感じました。BGMに『ガラスの部屋』が流れていそうです。


『じいちゃんだって☆ヒーロー』 江藤あつし
 ピンチマンごっこでネタを作るならば、最初に、ピンチマンのキャラクターを立たせ、魅力的に見せておくことが必要だと思います。冒頭の1コマだけでは、説明不足です。
 「拍車がついたあそび」 角なしのザクで、白い悪魔と戦うのは自殺行為です。


『中央モノローグ線』 小坂俊史
 若い女性のモノローグ集なのに、バレンタインは一切関係なし。このあたりも、小坂先生らしいです。
 「中野のグレーな街角」 詩的な一編。一見、詩情も何も無さそうにみえるところが、実に詩的です。
 「高円寺のおすすめコート」 古着屋の空調が故障。客の購買意欲をそそる意味では、むしろ効果的かも知れません。
 「西荻窪の新たな看板娘」 人生のほろ苦さを、4コマに凝縮した作品。がんばれ茜ちゃん。
 「荻窪のたたかう女」 新キャラ、シングルマザーの圭さん登場。「穏やかで豊かに暮らすこと」ですか、深いですね。
 「荻窪のかたよった教え」 息子さんの名前は、何だろう。荻窪だから、空くんとかかな。
 「中野の便利な買い物」 これは実話をアレンジしていますね。実話のほうは、小坂先生の日記のこちら。いつでも好きなものが買える暮らしは、戻れなくなりそうですからね。
 「三鷹の非文学的結末」 文学的な一編。徹底的に散文的であるところが、実に詩的で、文学的です。
 「武蔵境の予想外な電車」 微笑ましい一編。どこの都会でも朝のラッシュは大変です。まして、初めて乗るのでは。
 「高円寺のちょっとした不況」 リアリティーがあります。実際にありそうです。
 「吉祥寺の生ける伝説」 爆笑しました。祥子さんも謎が多いキャラクターですね。平日昼間が暇というのは、どういう仕事をしているんだろう? まあ、謎は、謎のままのほうが、よいのかも知れませんが。
 「中央線の心躍る雪」 3コマ目、4コマ目、モノローグでは、なのかさんの優しさが沁みてきます。画面では、なのかさんのはつらつとした若さが眩しいです。


『だってヤンママ』 すみれいこ
 「嘘だよ」のキレが良いですね。
 良太君、ストーカーの素質がありますね。


『奥様うでまくりっ!』 野中のばら
 「ダンナの能力」 シュールな一本。冬場に扇風機を直すのもシュール。冬場に扇風機が回っているのもシュール。扇風機が飛んでいるのも、もちろんシュール。
 「ダンナのリクエスト」 マーブルチョコのメガネの形のやつ。フルタ製菓のハイエイトチョコレートですね。 
 「スイッチ」 デパートのチョコレートの包装は確かに大げさですよね。冬場以外は、保冷剤まで付くし。


『ういういdays』 犬上すくね
 薫子ちゃんのお母さん、美人だなあ。


『東京眼鏡』 あらい・まりこ
 「毒島のチョコ」 父親の墓前に供えるチョコでしたか。
 「金城くん」 4コマ目の京子ちゃんの表情が黒いです。
 「京子のチョコ」「パーセント」 「甘い物でも食べて」って、甘くないですよ。


『とーこん家族』 よしもとあきこ
 「そばにいて」 一条寺くん、ひどい。


『がんばる父さん』 田中しょう
 長い間読んでいるけれど、子供3人のキャラクターが、あまりにも薄く感じてしまいます。外見以外の個性が感じられません。何故なんだろう。


『12月生まれの少年』 施川ユウキ
 「バレンタイン」 大人の世界は、チョコレートフォンデュではないですね。
 「バレンタイン2」 傑作。これぞ21世紀のほのぼの漫画。4コマ目の余韻がなんとも言えません。4コマ目にはセリフが無いけれど、表情の変化と柊の汗がオチになっています。


『野生のじかん』 カラスヤサトシ
 漫画としては面白いし、よくネタが持つなあと感心します。しかし、この漫画に4色カラーは必要ないでしょう。


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