名短篇、ここにあり
北村薫先生と宮部みゆき先生が編者となったアンソロジー。「小説新潮」の「創刊750号記念名作選」を基に、そこからセレクトした作品集のようです。ミステリーもありますが、非ミステリーの割合が高くなっています。
作者は、半村良、黒井千次、小松左京、城山三郎、吉村昭、吉行淳之介、山口瞳、多岐川恭、戸板康二、松本清張、井上靖、円地文子と、ビッグネームが揃っており、非常に豪華です。
ただ、普段読む機会の多い作家かというと、個人的にはそうでもなく、このような企画で読むことが出来てよかったと感じる一冊です。やっぱり、北村薫と宮部みゆきの名前があると読んでしまいます。編者を選んだ企画の勝利でしょう。
小説も、それぞれに密度が高く、面白いです。さすがに高名な作家ぞろい、読み応えがあります。特に吉村昭の『少女架刑』は圧巻でした。読書経験が不足しているので、ここに収録されている作品が、その作者にとって、代表作なのか、標準作なのか、異色作なのかは、判断できません。すみません。
巻末では、北村薫先生と宮部みゆき先生が、収録作品について、対談を行っているので、格好の読書ガイドになると思います。
- 作者: 北村薫,宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/01/09
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 49回
- この商品を含むブログ (64件) を見る