まんがタイム2018年9月号
まんがタイム2018年9月号の感想
『見上げればいつも妹が』 市川和馬
肩車をしている絵がコマの中で窮屈にならず、むしろ開放感を覚えさせる画面の構成力に感服しました。
背の高い女の子が子供を肩車している図に「なにか既視感が」と思いましたが、美月李予先生の『貴美TALLEST』でよく見た光景でした。
貴美TALLEST (1) (バンブーコミックス 4コマセレクション)
- 作者: 美月李予
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2014/05/09
- メディア: Kindle版
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『となりのレトロガール』 小坂俊史
80年代ラブコメディ?の新シリーズ。
「ぶ厚いあいつ」 四次元は、空間+時間であるといわれても、いまひとつピンとこなかったのですが「どの方向からの引っ越しが可能か」を考えると腑に落ちました。前から、横から、上からというほかに、過去から引っ越してくるパターンもあるというのは、なかなかに説得力があります。確かにその場合は音がしないかも。
「黒いあいつ」 黒電話自体は今でも使えたとしても、32年間も電話料金を払っていなければ、止められていてもやむなし。今考えると、衣類収納のファンシーケースには、どこにファンシーの要素があったのだろう。
「ほどほどに」 ここでの築35年という伏線が、合理性のある舞台装置の仕込みに。
「となりにいるだろ」 あっ、やっぱりタイトルでツッコんでいる。
「超文明」 あの時代の携帯デジタルガジェットは、ゲームウオッチ、ゲーム電卓、ポケコンといったところでしょうか。
「時をかける」 それほど大きくはない1コマ目で迫力あるスペクタルを演出しているところ、圧縮された2コマ目でドラマ性を感じさせるところ、客観的で冷静なオチにつながるところ。密度が高い。
「ふんぱつしたのに」 実際のところ「タイムスリップ 戻り方」で検索しても、あまり有用な情報は出てきません。ただし、この場合における「有用な情報」とは何なのか、うまく定義はできませんが。
「最重要課題」 科学技術が憧れだったのは、このころまでだったのかも。
「もう輝いてないんですね」 楽天的に生きるのが容易だった時代と困難だった時代を繰り返して、現在は「楽天的に生きることは可能であるが、相応の覚悟も必要である」といった状況でしょうか。夏川椎子は1964年〜1986年を生き、今井現は1994年〜2018年を生きる。二人の時間が重なっていないのが、この場合において重要なのかも。その間にある1980年代の終わり、昭和の終わりというのは、文化的にもインパクトがありましたからね。
「ごめん」 2コマ目の陽と4コマ目の陰。その一方で、夏川さんは不安だろうし、今井くんは夏川さんに出会えてうれしいだろうし。
「悩ましいお年ごろ」 タイトルがダブルミーニングだ。
『レーカン!』 瀬田ヒナコ
小袖というのは、現代の着物のルーツにあたる江戸時代までの衣装とのこと。だから、かなりのアンティーク品。
和服に関する知識はないので、小袖と現代の着物との違いはほとんど理解できていないのですが、素人目にも明らかに違うのは、帯を締める高さ。現在の着物では、女性は胸高に帯を締めますが、小袖では男性の帯と同程度のかなり低い位置で帯を締めます。
天海さんの装いをみると、きちんと帯の位置を低く着こなしていて、さすがだなと思いました。
『茨城ってどこにあるんですか?』 真枝アキ
二人が手をつないだ瞬間に、ひょいひょいとベストアングルまで移動し、ベストショットを撮影したのでしょうか。伊佐木さん有能。