虚構推理 鋼人七瀬

虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)

　城平京の長編推理小説。異能力者が、妖怪がいる世界で、化け物を論理とハッタリで倒す話。
　いる怪物をいないことにまるめこむという知的ゲームになっていて、なかなか刺激的な、ミステリの新ジャンルですね。法廷もののミステリやゲームに似て、判定者たちを納得させられれば勝ちというルール。
　登場するネットの雰囲気は、２ちゃんねるの全盛期ふう。現在の掲示板系コミュニケーションには、怪物を呼び出すほどの熱気は、すでにないような気がします。
　城平京は『名探偵に薔薇を』でもそうでしたが、大胆な自画自賛をうまくミステリプロットの補強に使っています。
　伝奇小説好きにもミステリ好きにもおすすめです。