名短篇、さらにあり
北村薫、宮部みゆき編によるアンソロジー第二弾。前作の『名短篇、ここにあり』よりも、さらに渋い作者が並んでいます。なにしろ全員故人ですから。
作者は、舟橋聖一、永井龍男、林芙美子、久生十蘭、十和田操、川口松太郎、吉屋信子、内田百けん、岡本かの子、岩野泡鳴、島崎藤村。半分以上は名前も知りませんでした。
案外ポップな舟橋聖一『華燭』、貧しさが染み付いた林芙美子『骨』、吉屋信子『鬼火』、とぼけた味がたまらない(特に父親からの手紙が秀逸)十和田操『押入の中の鏡花先生』、これぞ人情話、川口松太郎『紅梅振袖』、ぞくぞくとする内田百けん『とほぼえ』、職人の悲哀が印象的な岡本かの子(岡本一平の妻、岡本太郎の母)『家霊』、本人の気づかない狂気を描いた島崎藤村『ある女の生涯』などが印象深かったです。
- 作者: 北村薫,宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/02/10
- メディア: 文庫
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