今月のまんがライフオリジナル


まんがライフオリジナル3月号の感想


おうちがいちばん』 秋月りす
「理科は苦手で」 『かしましハウス』で、犬のゴローが球根を植えるネタがあったのを思い出しました。
「オールマイティ」「夫のすること」 夫婦喧嘩の仲直り。皿洗いと風呂掃除でする人もいれば、薔薇の花束でする人もいて、夫婦はいろいろです。


『動物のおしゃべり』 神仙寺瑛
 わんこの睡眠時間は12時間とか。長いなあ。なんとなく、犬っていつも起きているイメージがありましたけど、飼ったことの無い人間の勝手な思い込みでしたね。


『クロジとマーブル』 富永ゆかり
 青虫とちょうちょのネタが、『よにんぐらし』と重なっています。春らしくてよいですね。


『よにんぐらし』 宇仁田ゆみ
 アオムシの「まつぼっくりちゃん」というネーミングセンスがよいです。子供を育てることで、親も育っていくものですね。


エデンの東北』 深谷かほる
 70年代、地方の高校生にとって、人生の選択肢は、現在より少なかったのでしょうね。そんなことを考えさせられました。


『とーこん家族』 よしもとあきこ
 この家族がお金持ちになったら、『晴れのちシンデレラ』みたいになるんでしょうね。人柄の良さといい、ありあまる体力といい。


『ちいちゃんのおしながき』 大井昌和
 変則的なコマ使いで、1ページに1ネタとかやってます。こういう方法も、4コマ系漫画の表現の可能性を広げる意味で、よいのではないでしょうか。


『ぐるくる』 石見翔子
 ラブラブなのはいいけれど、17歳の女の子が、家に閉じこもって、専業主婦をしているのは、ちょっと不健康な気がします。


『ご契約ください』 東屋めめ
 せっかくの社長と吉田の初デート?だったのに、ちょっとあっけなかったですね。食事のシーンとか見たかったなあ。


『おいしい日曜日』 小笠原朋子
 なんだか急にラブ度が上がってきました。決着は近いのか、遠いのか。


『ういういデイズ』 犬上すくね
 回想シーンナイス!


『東京眼鏡』 あらい・まりこ
 進級がかかってて、東に勉強をみてもらったのに、0点を取るのはやばいような。


『全力委員長』 のしお
 反則気味のキャラクターを投入してきました。早くもネタ切れか。がんばれ。


『ぼくと姉とオバケたち』 押切蓮助
 トイレットペーパーの霊はイヤすぎ。幽霊漫画だったのが、妖怪漫画になってきました。この先どうなる?


『なごみクラブ』 遠藤淑子
 薄墨の塗りが、かなり雑です。どうしたのでしょうか。


『中央モノローグ線』 小坂俊史
 小坂俊史の待望の新連載。同人誌や『ふたりごと自由帳』の世界に近い、女の子たちのモノローグ漫画です。始まったばかりなので、この先どう展開していくのか分かりませんが(女の子達の運命が交差していくことがあるのかとか)、しみじみとした味があって楽しめました。
 正直、もっとストレートに笑いに直結した新作を望む気持ちもありましたが、小坂先生は、自身の漫画家のキャリアの中で、現在は異色作にも手を出す時期だと、見定めたのでしょう。その選択を尊重して、応援したいと思います。
 『ハルコビヨリ』と『サイダースファンクラブ』が終わって、『中央モノローグ線』と『やまいだれ』と『わびれもの』が始まったわけですが、いずれの新作も、ストレートな笑いとは、ちょっと距離を置いている感があります。
 『中央モノローグ線』は、詩のような、掌編小説のような作品ですし、『やまいだれ』は、ストレートに笑いに結びつけることは難しい「病気」をテーマにした作品です。『わびれもの』も、にぎやかな場所ではなく、あえて寂れた場所をレポートする漫画です
 しかし、このいずれもが、現在の漫画界のなかで、小坂俊史でなければ描くことのできない漫画となっています。自分にしか出来ない表現を突き詰めていく作家を、私は尊敬します。


月刊 まんがライフオリジナル 2008年 03月号 [雑誌]

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